転リースは違法?転リースのリスクやメリットを解説

「転リースは違法?」
「資産の貸し出し方がわからない」

転リースは自分の住んでいる物件を第三者に売りながらその物件に住み続けられる資金の運用方法ですが、サブリースとの違いやルールがわかりにくいという印象を持つ方は多いでしょう。

この記事では、転リースが違法ではない理由を転リースの仕組みと合わせて紹介します。
最後まで読めばどのように転リースを行なうと今後うまく資金を得られるのかがわかるので、ぜひ参考にしてください。

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目次

転リースが違法ではない理由

転リースはリースバックによって物件取引を行なううえで禁止とされていますが、条件によっては違法にならないケースがあります。

ここではなぜ転リースが違法にならないのか、その理由について紹介します。
違法にならない転リースの特徴は以下の3点です。

違法にならない転リースの特徴
  • 所有者の承認を得てから行なっている為
  • 転リースは法律で制限されている為
  • 元々転リースを認めているリースバック事業者のもとで行なっている為

では、順番に解説します。

所有者の承認を得てから行なっている為

転リースはリースバックの取引上、物件を所有している所有者の承認を得なければ行なえない取引です。

リース会社が賃借人へ物件を貸し出した後に、転リースを行なう賃借人と転借人との間でトラブルが起こる可能性もあります。

その場合、物件を貸したリース会社にもリスクが生じてしまうため、転リースに対して慎重な会社は承認を得られない会社も多々あるのです。

一方で不動産の子会社やフランチャイズ加盟店などは、会社の資産調達のために転リースに前向きな姿勢をとっています。

そのような会社は、資金調達のために必要な条件を追記して転リースを事前承認してくれるため、その後の転リースも行ないやすいでしょう。

また転リースを受け入れるかどうかは、会社のホームページ上ではあまり記載されていないケースが多いです。

そのため、転リースを考えている方はリースバック会社へ物件売買の相談する際に早い段階から聞くようにしましょう。

転リースは法律で制限されている為

転リースは民法612条に該当するため、自由に締決できるわけではありません。
転リースをする場合は、以下の「転貸借契約」に該当します。

  1. 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
  2. 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせた時は、賃貸人は、契約の解除をすることができる。

    引用:民法第612条

この民法をもとに、賃借人は賃貸人の承諾を得ることで違法とならずに転リースを行なえるようになります。

もし転リースを無断で行なうのが違法と知らずに契約を進めてしまうと、リース会社との契約解除や侵害賠償請求につながりかねないため注意しましょう。

元々転リースを認めているリースバック事業者のもとで行なっている為

転リースを認めているリースバッグ事業者であれば、承認をもらえる前提のため転リースを安全に行ないやすいです。

通常リースバックで物件を売却した場合、物件の所有者はリースバック会社へと移ります。
しかしリースバック会社との契約内容によっては、その所有権を賃借人に残せる場合があるのです。

その場合、賃借人は他人が所有する物件を自身の資産運用のために使用して収益化ができます。
これにより賃借人はリースバッグ事業者にリース料を支払い、入居者から家賃をもらう運用方法が行なえるでしょう。

しかしその一方でアパートなどの投資物件で転リースを行なう際には、アパートによっては住民が入居せず空き家になるリスクもあります。

その点も考慮したうえで収益を計算しないと、転リースによる家賃収入よりも支払うリース料金の方が高くなり赤字になる恐れもでてくるでしょう。

そうならないためにも、転リースを行なう際には事前に損益計算を行なってから契約するようにしましょう。

基本的な転リースの仕組み

転リースとは、物件を初めから第三者へと貸すのが目的で、リース会社と契約しリースバックを行なう手段の1つです。

物件所有者である賃借人は自身が所有している物件をリース会社へと売り、売った物件においてリース会社と賃借人の間で賃貸借契約を結びます。

契約を結んだ後の物件所有者はリース会社となり、元々物件を所有していた賃借人はリース会社から物件を借りているという関係性に変化します。

ここまではリースバックと同じ流れとなっていますが、転リースは賃借人が借りている物件を第三者の又貸しができる仕組みとなっているのです。

これにより、賃借人はリース会社へリース料の支払い、第三者に又貸している転リース料の請求という2つのお金の流れを管理することになります。

転リースによって起こるリスク

転リースには「リース滞納による契約終了」や「賃借人にも責任が生じる恐れ」といったリスクが生じる可能性もあります。

転リースを行うことによって想定されるリスクは以下の2点です。

想定されるリスク
  • リース料滞納による契約終了
  • 賃借人にも責任が生じる恐れ

転リースの契約が完了しただけでは、迂闊に喜べません。

ここではそれぞれのリスクについて詳しく解説していきますので、今後転リースを行ないたい方はぜひ参考にしてください。

リース料滞納による契約終了

転リースは、条件によってリース会社との転リース契約が自動的に終了してしまう恐れがあります。

賃貸人に転リースの承諾をもらい第三者に又貸している中で、リース料の滞納が発覚してしまうと転リースの契約も自動的に終了となってしまいます。

そのため、リース料の滞納を事前に把握し、物件を借りている第三者へ早めに滞納の通告を行なうようにしましょう。

転リースといっても起こるリスクはリースバックと同じです。契約が終了した場合、今後その物件を転リースするためにはあらためてリース会社への承諾をとる必要があるため注意しましょう。

賃借人にも責任が生じる恐れ

転リースした物件は、物件を貸した賃借人に監督責任があると解釈されることが多いです。
物件を借りている第三者による故意や過失で物件に損害が生じた場合は、賃借人にも責任が生じる場合があります。

そのようなリスクを回避するためにリース物件を貸し出す際には、安心して貸せる相手を選ぶようにしましょう。

転リースとサブリースの違い

転リースが物件を貸す相手が第三者だとすると、サブリースは物件を貸す相手はサブリース会社になります。

ここでは、似たような仕組みの転リースとサブリースの違いについて紹介していきます。

転リースとサブリースの主な違いは以下の7点です。

転リースとサブリースの違い
  • 支払いの金額やタイミングが異なる
  • 所有者の支払い義務がある
  • 転リースは不動産の買い戻しができる
  • リースバック業者によってサービスは異なる
  • 転リースをするには許可を得る必要がある
  • サブリースは正式なガイドラインが制定されている
  • サブリースは第三者が居住する

では、順番に解説します。

1. 支払いの金額やタイミングが異なる

転リースとサブリースでは支払う金額や相手、タイミングが異なります。

そもそもサブリースとは、サブリース会社が物件の所有者から物件を借り、それをさらに第三者へ貸すという仕組みです。

そのため物件を借りている第三者は、サブリース会社に対して家賃などの支払いを行います。

対して転リースの場合、物件を借りている第三者が物件を貸している賃借人に家賃を支払うほかにも、賃借人は賃貸人にリース料の支払いが必要です。

支払い方法もサブリースは毎月の支払い、転リースでは一括払いの支払いを行ないます。

2.所有者の支払い義務がある

転リースは、物件の売却時に所有者の権利がリース会社へと移行します。
所有権がないために賃借人は固定資産税といった税などの支払いが不要です。

一方で、サブリースは売買ではなくサブリース会社に貸し出している状態のため、所有権は移行しません。

また、固定資産税の支払いだけでなく、住民が退去後の貸主負担部分の原状回復日や終戦日の負担も必要になります。

3.転リースは不動産の買い戻しができる

転リースは、リース会社と契約した内容にもよりますが、売却した物件を買い戻せる可能性があります。

不動産の買い戻しをする条件としては、転リースの契約時に「賃貸契約書」と「再売買の予約契約書」の締結が必要です。

一方でサブリースはあくまでもサブリース会社に物件を貸し出しているという名目のため、買い戻しは行なえません。

今後の資産形成を考慮したうえで自分に合った運用方法を選ぶようにしましょう。

4.リースバック業者によってサービスは異なる

リースバック業者には、転リースのみに対応している会社や、サブリースのみに対応している会社などさまざまな種類があります。

会社ごとにそれぞれの契約内容やサービス内容は異なるため、1つの会社だけでなく多くの会社を比較し自分に合った会社を選ぶようにしましょう。

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5.転リースをするには許可を得る必要がある

転リースはリース会社に無断で第三者と契約を行なってしまうと違法となり、リース会社との契約を解除される恐れがあります。

一方でサブリースの場合はサブリース会社の方で第三者との契約がとり行なわれるため、許可の申請は不要です。

しかし第三者との取引の手間が減る分、家賃収入が減る可能性もあります。

その物件をいくらで貸すかはサブリース会社が決めるため、支払ったリース料よりも高い金額で貸し出されていた場合には、自身の家賃収入が減る点も留意しておきましょう。

6.サブリースは正式なガイドラインが制定されている

サブリースは転リースよりも前から行なわれている取引のため、国土交通省によるガイドラインが制定されています。

ガイドラインは法による規制対象の事例を用いて明確に記されているので、サブリース会社とオーナーの間で適切な契約が行なえるでしょう。

一方で転リースはサブリースよりも後にできた仕組みとなっており、具体的な取り扱いに関してのガイドラインは今の所制定されていません。

7.サブリースは第三者が居住する

リースバックは物件の賃借人が家賃をリース会社に支払えば、その物件に住みながら第三者との取引も行なえるものです。

しかし、サブリースは物件がサブリース会社によってすべて借り上げられてしまいます。

借り上げられた物件はそのまま入居者を募り転貸していくため、賃借人は居住できない仕組みとなっています。

このことから転リースは又貸し、サブリースは転貸しと呼ばれているのです。

サブリースは不動産を手放さず安定した収入が得られる一方で、どのような入居者が入ってくるかはわかりません。

そのため入居者がうっかり部屋に傷をつけてしまい、今後の物件としての価値を落としてしまうという可能性もありえるでしょう。

転リースで得られるメリット

転リースでは、金融機関で融資を得るよりも早く資金を得られます。
金融機関で融資を受ける場合、借入期間や返済金額などから審査を行なうため時間がかかります。

転リースを行なえば、短期間でまとまった資金が得られるうえ、第三者に貸し出して自分の資産を手に入れつつ売却した物件に住み続けられるでしょう。

また転リースを行なうと物件の所有者はリース会社に移るため、固定資産税や転居による物件の修繕費もかかりません。
さまざまなリスクを回避しながら資金を調達できるのが転リースのメリットと言えるでしょう。

さらには転リースによって得られた資産を現金化することで融資が受けやすくなり、株価の上昇も期待できます。

転リースを行なう人によっては、財務改善が目的で転リースを利用するという方もいます。

このように、転リースを行なうと融資が財務的に厳しい場合にも自分の資産を運用しながら資金の調達が行なえるでしょう。

転リースする時の注意点

転リースは融資を使わずにまとまった資金を得られやすい分、注意が必要な点もあります。

転リースを行なう時は無断で行なってしまうとリース会社とのトラブルの原因になるため、必ずリース会社の許可をとるようにしましょう。

会社によっては無断で転リースを行なってしまうと契約解除をされる可能性があります。

万が一契約解除されてしまうとリース会社がそのまま物件を第三者に売却してしまい、自分の資産を失うことにつながりかねません。

契約時にあらかじめ転リースが行なえるかどうか確認したうえでリース会社と契約するようにしましょう。

節税や投資ならオペレーティングリースが一般的

資金運用を運用するために行なうリース契約の種類や運用方法には、以下の種類があります。

リース契約の種類や運用方法
  • ファイナンスリース
  • オペレーティングリース
  • 転リース
  • 再リース
  • セールアンドリースバック

中でも節税や投資を目的としている場合は、オペレーティングリースを行なうようにしましょう。
ここでは、オペレーティングリースについて以下の3点に分けてご紹介します。

オペレーティングリースとは

オペレーティングリースとは、リース会社における契約の種類を指します。
リース契約の種類は大きく分けて2つあり、ファイナンスリースとオペレーションリースに分けられます。

ファイナンスリースは取引にかかる負担を自費で賄うフルペイアウト方式です。主に設備を導入する手段として用いられ、中途解約が行なえません。

対してファイナンスリースの内容に該当しないリース契約、運用方法のことをまとめてオペレーティングリースと呼びます。

オペレーティングリースは何年もかけて少しずつ資産価値を減少させられるため、運用しやすいのが特徴です。

ファイナンスリースとの違い

オペレーティングリース取引は、ファイナンスリース以外の取引と定義されています。

ファイナンスリースと比べて中途解約できるうえ、リース期間が満了を迎えてもすべての費用を回収する必要がありません。

そのため、理論上は転リース契約途中でも解約が可能となっていますが、会計処理において仕分ける内容が複雑になるでしょう。

もし途中契約を行なって違約金が発生した場合には、雑損失や損害賠償金といった勘定科目を用いて細かく仕分けする必要があります。

オペレーティングリースは自由度が高い分会計処理時に複雑な処理を求められるため、どちらが自分にあっているのか比較しながら選ぶようにしましょう。

転リースをされても出資者に影響なし

オペレーティングリースであれば、転リースが行なわれたとしてもオペレーティングリースの出資者が得られる収益への影響はありません

転リースは賃借人と物件を借りた第三者間での取引となるため、転リース契約中にリース会社との直接的な関わりを持つこともないでしょう。

どのように取引が行なわれても影響がなく、ファイナンスリースのような条件を気にせず運用を行なえます。

転リースは信頼できる事業者へ相談しよう

転リースはリースバック方法の1つで、リース会社に売った物件をさらに第三者へと販売する又貸しのことです。

通常リース契約の中では違法とされている転リースですが、リース会社からの承認を得て取引すれば違法ではありません。

転リースは内容が複雑なものとなっているので、さまざまなリース業者をしっかりと比較して自分に合ったリースバック会社を選ぶようにしましょう。

ハウスマッチでは無償相談にもとづき、最大10社をピックアップして査定額の比較が行なえます。
また物件を高く買ってくれる会社だけでなく一番安くしてくれる会社も紹介してくれるので、転リースを活用しやすくなるでしょう。

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