「リースバックの家賃設定はどのように決まるの?」
「リースバックの家賃を安くする方法は?」
リースバックは生活環境を変えずにまとまったお金を手に入れられますが、家賃を払い続けられるか心配になりますし、利用するべきかも迷う人は多々います。
そのうえ、リースバックの家賃設定の仕組みを知らずに契約してしまうと、大きな損失を生むかもしれません。
この記事では、そのような悩みを解消するため、リースバックを利用した際の家賃の計算方法と家賃を安くするコツを解説します。
この記事を読むことで、損することなくリースバックを利用できるようになりますので、最後までお読みください。
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リースバックの家賃設定を決める要素
リースバックの家賃設定は、通常の賃貸物件とは異なります。
家賃設定を決める要素は以下の2つです。
- 期待利回り
- 利便性などの地域性
1つずつみていきましょう。
期待利回り
期待利回りとは、投資側にとって年にどれくらいの利益が見込めるかをパーセンテージで表したものです。
リースバックの期待利回りは6〜13%程度が一般的な目安です。
期待利回りが6%というのは、年間賃料が売却価格の6%であることを表しています。
また、期待利回りは物件のリスクに応じて変動するため、物件ごとに設定されます。
以下に、期待利回りが設定される条件をまとめました。
期待利回りが低い条件 | 入居者を見つけやすい都市部築年数の浅い物件戸建てやマンションなど人気の不動産タイプ |
期待利回りが高い条件 | 入居者が決まりにくい地方物件築年数の長い物件物件の状態が悪い |
不動産会社の立場から考えてみると、投資用の物件を1,000万円で購入した場合、少なくとも1,000万円を回収できる程度の家賃収入がないと赤字になり、購入した意味がなくなります。
そのため、10年で回収する計画を立てると1年あたり100万円以上の家賃収入が必要になるでしょう。
早期に回収したい場合は家賃収入を増やす必要があり、利回りが高く設定されるのです。
毎月の家賃を低く抑えたい場合、売却金額を下げる必要がありますが、その場合は売主の手元に入る資金も少なくなります。
利便性などの地域性
利便性などの地域性によって、家賃設定に影響がでます。
一般的に東京や大阪、名古屋などの都市部はリースバックの売却価格が高くなる一方、期待利回りは低くなりやすいです。
なぜなら、都市部や築浅の物件の需要が高く、賃料も比較的高いため不動産会社にとっては利益がでやすく、投資のリスクが低いためです。
反対に、郊外地域や築古物件は期待利回りが高くなりやすいので、売却価格を下げる必要があるでしょう。
リースバックの家賃|計算方法
リースバック契約における家賃の計算方法は、通常の賃貸契約とは異なります。
リースバックの家賃設定では「売却価格」「期待利回り」「周辺の家賃相場」の要素が考慮されます。
通例として積算法が用いられ、計算式は以下のとおりです。
家賃(月額)=売却価格×期待利回り÷12か月
物件の売却価格と期待利回りをかけあわせ、12か月で割ります。
場合によっては、固定資産税や修繕積立金など管理費が含まれることもあるでしょう。
リースバックの家賃は不動産会社からの一方的な提示ではなく、双方が条件に合意することが求められます。
買い手が希望する家賃の金額などを相談することもでき、柔軟性をもった契約ができるという大きなメリットがあります。
リースバックの家賃相場はどれくらい?
リースバックの家賃相場は、地域や不動産の種類、契約条件などによって異なりますが、おおよそ売却価格の10%前後です。
売却価格が1,000万円であれば、年間の家賃総額は100万円程度、月々の家賃は8万〜9万円になります。
「住宅ローンの支払額よりも低く抑えたい」という希望でリースバックを利用されることが多いため、住宅ローンの支払いよりは安く設定される傾向があります。
売却価格を下げると、家賃を抑えることにつながるので、長期的な支払いを見据え、売却価格を検討しましょう。
リースバックは場合により、一般的な賃貸物件よりも月々の家賃が高くなります。
売却価格を上げ、まとまった資金を準備したい方は、賃貸物件よりも高くなりやすいでしょう。
メリット・デメリットを検討したうえで、最適な家賃を選択することが重要です。
家賃が払えなくなってしまった場合に関しては、こちらの記事をご覧ください。
リースバックの家賃設定例
リースバックの家賃は、売却価格と期待利回りによって設定されます。
同じ物件で、同じ期待利回りを設定しても、売却価格によっては家賃に差が生まれます。
A | 売却価格2,000万円 期待利回り10%の場合 |
2,000万円×10%÷12か月=16万6,666円(1か月の家賃) | |
B | 売却価格1,000万円 期待利回り10%の場合 |
1,000万円×10%÷12か月=8万3,333円(1か月の家賃) |
Aは売却価格が高い分、家賃も高くなります。
売却することで、できるだけ多くの金額を得たいと考える方は多いと思いますが、その分家賃が高くなってしまうので、家賃を継続して支払えるかという観点からも検討が必要です。
Bは売却価格が低い分、家賃も低くなります。
毎月の家賃が下がるため安心した生活を送れるようになるでしょう。
しかし、売却価格が低い分、手元に残る資金が少なくなるため考慮する必要があります。
リースバックを検討する際には、将来のライフプランや財務状況など、総合的に判断することが重要です。
リースバックはなぜ「家賃が高い」と言われるのか
リースバックの家賃が高いと言われる理由は、一般的な不動産賃貸のように周辺相場で家賃が決まるわけではなく、不動産の売却価格などで家賃が決まるためです。
とくに「住宅ローン残高の多い物件」「競売を申し立てられた物件」は売却価格を高くせざるを得ません。
なぜなら、物件に残っている住宅ローンの残高が高い場合、売却価格でローン残高をカバーする必要があるためです。
また、競売を申し立てられた物件も負債を回収するために売却価格が高くなります。
「住宅ローンの支払いよりは月々の家賃を安くしたい」と利用する方が多いリースバックですが、一般的な賃貸物件と比べると家賃が高くなってしまう場合もあるので注意しましょう。
リースバックの家賃を安くする方法4選
リースバックの家賃を決める要は、「売却価格」と「期待利回り」です。
「売却価格を下げ、期待利回りの低い不動産会社を選定すること」これが家賃を抑える一番の方法でしょう。
この考えに沿って、家賃を安くするためのポイントを4つ解説します。
- リースバックを一括査定でシミュレーションする
- 買取価格を下げる
- 実績のある不動産会社に依頼する
- 定期借家契約を締結する
1つずつみていきましょう。
①リースバックを一括査定でシミュレーションする
家賃を安くするために、リースバックを一括査定で申し込みましょう。
一括査定サイトで必要事項を入力し、査定を申請すると、登録されている複数のリースバック会社から査定結果がでます。
1社ごとに問い合わせるのは時間と手間がかかるため、一括査定サイトを有効活用しましょう。
期待利回りのパーセンテージで家賃が大幅に変わるため、低い期待利回りになっているかがチェックするポイントです。
期待利回りの低い不動産会社を見つけることで、家賃を安くすることにつながるでしょう。
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②売却価格を下げる
売却価格を下げると、必然的に家賃も安くなります。
リースバックを検討する人は住宅ローンの返済が不安であったり、事業資金の調達が必要などの理由がほとんどです。
手元にまとまった資金を手に入れたい場合、売却価格は高額である方が助かるでしょう。
しかし、家賃は売却価格が基準で決まります。
あえて価格を抑えて売却することで、将来安い買い戻しも可能になります。
資金を多く受け取りたいのか、毎月の家賃を下げたいのか、ご自身の希望を整理し、不動産会社に相談をしましょう。
③実績のある不動産会社に依頼する
リースバックの実績がある不動産会社に依頼をしましょう。
リースバック市場は数年前から急速に成長し、現在では多くの不動産会社が参入しています。
リースバックの提案内容には不動産会社によって差があり、なかには見当違いの査定額を提示する会社もあるでしょう。
はじめてリースバックを検討する方が、そのような不動産会社に依頼をしてしまうと相場がわからず、大きな損失を被ってしまいます。
リースバックは迅速な現金化が期待できるため、まとまったお金がすぐに必要な場合は、不動産会社を選ぶ上で、実績が重要なポイントになるでしょう。
リースバック後にオーナーである不動産会社の業績不振により、物件を第三者に転売されたという事例もあります。
そのため大手グループや、上場企業など実績のある不動産会社だと安心して取引を行えます。
④定期借家契約を締結する
普通借家契約ではなく、定期借家契約を締結しましょう。
リースバックの借家契約には2種類あります。
それぞれの特徴をみていきましょう。
普通借家契約 | 賃貸借期間を更新できる借家契約一般的に1〜2年ほどで契約更新するか終了するかを賃借人が選ぶ |
定期借家契約 | 契約期間の満了によって賃貸借関係が終了する借家契約満了すると賃借人は物件から退去しなければいけない普通借家契約よりも利回りが低く、家賃を抑えられる |
定期借家契約では、一定期間にわたって固定された家賃が支払われるため、不動産会社にとって安定した収入が見込めます。
そのような観点から、定期借家契約は利回りが低く設定されているのです。
将来不動産の買い戻し計画を立てているのであれば、利回りが低く、家賃を抑えられる定期借家契約がおすすめです。
ただし、契約で定めた期間が満了すると、不動産会社の同意がない限り住み続けられません。
買い戻しをする際には、契約期間内の必要があるので注意しましょう。
反対に、数年後に家を買い戻す予定がないのであれば、普通借家契約をおすすめします。
転居など生活環境の変化への柔軟性が高まり、再度物件を購入する必要がないため不要な負担を軽減できるでしょう。
リースバックをすると何年住める?
リースバック後に何年住めるかの規定はありません。
普通借家契約であれば、更新することでいつまでも住み続けられます。
定期借家契約は契約期間を2〜3年に設定するケースが一般的です。
これは将来の家賃の変動や条件の変更を最小限に抑えたり、適切な条件で契約を更新するためです。
契約期間は当事者の話し合いによって自由に定められるので、どのくらい住みたいのかはリースバック会社と交渉しましょう。
長く住み続けたいのであれば、普通借家契約、または定期借家契約で再契約が可能な会社と契約することをおすすめします。
リースバックで後悔する人の特徴
リースバックはすべての人に有効な手段とは限りません。
リースバックで後悔する人は以下です。
- 売却価格を上げすぎて家賃が払えなくなった
- 毎月の家賃を払えなくなり住む家を失った
- リースバックで得た資金の使い道を明確に計画していなかった
- 資金調達だけが目的で家に住み続ける必要はないのに、リースバックを利用したことで普通に売るよりも数千万円損をしていた
リースバックは短期間で資金調達が可能なメリットがある反面、コストパフォーマンスを考えると通常の方法で売却して、賃貸物件に引っ越す方がお得です。
リースバックは目先の資金調達のためだけでなく、将来を見据えた慎重な計画が必要不可欠です。
これらを怠った人は、後悔する可能性が高くなるといえるでしょう。
まとめ|リースバックの家賃設定を知り有効的に活用しましょう
この記事では、リースバックの計算方法と家賃を安くするコツを解説しました。
リースバックの家賃を安くする方法は以下の5つです。
- リースバックを一括査定でシミュレーションする
- 買取価格を下げる
- 実績のある不動産会社に依頼する
- 必要な資金だけを利用目的に設定する
- 定期借家契約を締結する
リースバックの家賃は売却価格と期待利回りのバランスで決まります。
売却価格を安く抑えることで家賃も安くすることが可能です。
希望の条件や将来を見据え、しっかりと計画を練ったうえで、不動産会社の比較をしましょう。
リースバックは使い方によって損失を生むことなく利用できるので、家賃設定の仕組みを知り、リースバックを有効的に活用しましょう。
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