リースバックは、今の家に住み続けながら資金を確保できる便利な仕組みですが、家賃が高くなってしまうと、継続して払い続けられるかという問題が発生します。
家賃が決まる仕組みを知らないまま契約すると、生活を圧迫するほどの支払いになったり、本来より高い家賃を払い続けることになるかもしれません。
そこで本記事では、リースバック後の家賃が決まる仕組みから、具体的な計算方法までを徹底解説します。
家賃を安くするための4つのコツも紹介するので、リーズバックを検討している方はぜひ最後までご覧ください。
リースバックの家賃設定を決める要素
リースバックの家賃は、一般的な賃貸物件とは異なり、主に以下の2つの要素から算出されます。
- 期待利回り(年間賃料率)
- 物件の売却価格
家賃設定の仕組みを理解するために、それぞれの要素を詳しく見ていきましょう。
期待利回り
期待利回りとは、投資家(買主)が物件の購入価格に対して、年間にどれくらいの家賃収入を期待できるかを示す割合のことです。
「年間賃料率」とも呼ばれ、リースバックにおける家賃設定の根幹をなします。
期待利回りの相場は、年間6%〜13%が一般的です。
期待利回り6%とは、年間の家賃総額が物件売却価格の6%になるように設定されることを意味します。
この利回りは、物件が持つリスクに応じて変動します。
| 期待利回りが低い条件 | ・エリア:入居者を見つけにくい地方 ・築年数:築年数が経過した物件 ・物件の状態:修繕が必要な状態 |
| 期待利回りが高い条件 | ・エリア:入居者を見つけにくい地方 ・築年数:築年数が経過した物件 物件の状態:修繕が必要な状態 |
買主である不動産会社は、投資資金を回収する必要があるため、リスクが高い物件ほど早期回収を目指して利回りを高く設定する傾向があります。
その結果、月々の家賃も高くなるのです。
利便性などの地域性
物件の所在地も家賃設定に影響します。
一般的に、東京や大阪などの都市部は物件の需要が高いため、リースバックの売却価格は高くなる一方、買主にとって空室リスクが低いため、期待利回りは低めに設定される傾向があります。
反対に、地方や郊外の物件は、都市部に比べて買主の投資リスクが高くなるため、期待利回りが高めに設定されがちです。
その分家賃を抑えるためには、売却価格を調整する必要が出てくるでしょう。
リースバックの家賃|計算方法

リースバックの家賃は、主に「物件の売却価格」と「期待利回り(年間賃料率)」を用いて、以下の計算式で算出されます。
月々の家賃 = 売却価格 × 期待利回り ÷ 12ヶ月
たとえば、売却価格が1,500万円、期待利回りが8%の場合は「1,500万円 × 8% ÷ 12ヶ月」となり、月々の家賃は10万円です。
家賃は不動産会社から一方的に提示されるだけでなく、利用者との合意のうえで決定されます。
希望する家賃額について相談できる点は、リースバックのメリットの一つと言えるでしょう。
リースバックの家賃相場はどれくらい?

リースバックの家賃相場は、売却価格や期待利回りによって変動しますが、一般的には年間で売却価格の7%〜13%程度に設定されるケースが多く見られます。
仮に10%とすると、売却価格1,000万円の物件なら年間家賃は100万円、月々約8.3万円が目安です。
多くの方が「住宅ローンの返済額より負担を減らしたい」という目的でリースバックを利用するため、月々の家賃が以前のローン返済額より低くなるように設定される傾向があります。
ただし、手元に多くの資金を残そうと売却価格を高く設定すると、その分家賃も高くなります。
一般的な賃貸物件の家賃相場よりも高くなるケースも珍しくありません。
長期的な支払いを見据え、無理のない家賃になるよう売却価格とのバランスを考えることが重要です。
家賃が払えなくなってしまった場合は、こちらの記事をご覧ください。

リースバックの家賃設定例
売却価格が変わると、月々の家賃がどれくらい変動するのか、具体的なシミュレーションで見てみましょう。
ここでは期待利回りを10%で固定して計算します。
A | 売却価格2,000万円 期待利回り10%の場合 |
| 2,000万円×10%÷12か月=16万6,666円(1か月の家賃) | |
B | 売却価格1,000万円 期待利回り10%の場合 |
| 1,000万円×10%÷12か月=8万3,333円(1か月の家賃) |
このように、売却価格は家賃に直接影響します。
将来のライフプランや収支状況を総合的に考慮し、ご自身にとって最適なバランスを見つけることが大切です。
リースバックはなぜ「家賃が高い」と言われるのか
リースバックの家賃が周辺の賃貸相場より高いと言われる主な理由は、その算出方法にあります。
一般的な賃貸物件の家賃は、周辺の類似物件の家賃相場を基に設定されます。一方、リースバックの家賃は「売却価格」を基準に算出されるため、必ずしも周辺相場と連動しません。
特に、以下のようなケースでは売却価格が高くなるため、結果として家賃も高くなる傾向があります。
- 住宅ローンの残債が多い:売却価格でローンを完済する必要があるため
- 競売開始が決定している:債権を回収するために売却価格が高めに設定されるため
さらに、リースバックの家賃には、単純な住居の利用料以外のコストが含まれていることも、家賃が割高になる一因です。
- 定資産税・都市計画税:本来の所有者が支払う税金分
- 損害保険料(火災保険など):物件維持に必要な保険料
- 不動産会社の経費・利益:物件の管理費用や、事業としての利益
これらの費用が家賃に上乗せされるため、周辺の賃貸物件と比べて家賃が高めに設定されるのです。
リースバックの家賃を安くする方法4選
前述の通り、リースバックの家賃は「売却価格」と「期待利回り」で決まります。
つまり、この2つの要素を調整することが、家賃を安く抑えるための鍵となります。
具体的な家賃を安くする方法は、以下の4つです。
- 複数のリースバック会社を比較検討する
- 買取価格を調整する
- 信頼できるリースバック会社の選び方
- 定期借家契約を検討する
1つずつみていきましょう。
複数のリースバック会社を比較検討する
家賃を安くしたいなら、複数のリースバック会社から査定を取り、提案内容を比較しましょう。同じ物件でも、会社によって提示する期待利回りや査定額は異なります。
複数の会社を比較する際は、一括査定サイトを利用すると効率的です。
各社の提案の中から、最も低い期待利回りを提示している会社を見つけることが、家賃を抑えるための重要なポイントです。
買取価格を調整する
手元に多くの資金を残したい場合、売却価格は高い方が望ましいでしょう。しかし前述の通り、売却価格が高くなれば家賃も比例して上がってしまいます。
将来の家賃負担を軽減したいのであれば、あえて売却価格を低めに設定するという選択肢もあります。将来的に家を買い戻す際も、売却価格が低い方が有利になります。
「必要な資金額」と「毎月支払える家賃額」のバランスを慎重に考え、不動産会社に相談しましょう。
信頼できるリースバック会社を選ぶ
リースバックを取り扱う会社は年々増加していますが、実績やノウハウには大きな差があります。
入念な情報収集で、信頼できるリースパック会社を探しましょう。
リースバック会社を選ぶコツは次の通りです。
会社の経営状況や実績を確認する
リースバック会社を選ぶ際は、大手企業や上場企業など、経営が安定している会社を選びましょう。会社の倒産によって家が転売され、退去を求められるといったリスクを避けられます。
また、リースバックの実績が豊富な会社は、適正な利回りを熟知しているため、納得感のある家賃設定が期待できます。
契約内容の柔軟性(再契約や買戻し条件)
将来的に長く住みたい、または買い戻したいと考えているなら、契約の柔軟性は重要です。
「定期借家契約後の再契約は可能か」「買戻し価格の条件は明確か」など、ご自身の希望に合った契約が可能かを確認しましょう。
手数料など諸費用の透明性
家賃を抑えたいなら、契約時にかかる事務手数料や、買戻し時の手数料などが明確に提示されているかを確認しましょう。
後から想定外の費用が発生しないよう、諸費用について透明性の高い会社を選ぶことが大切です。
定期借家契約を検討する
リースバックの賃貸借契約には、「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。
| 普通借家契約 | 契約期間が満了しても、借主が希望すれば原則として更新できる |
| 定期借家契約 | 契約期間の満了によって契約が終了し、更新がない |
一般的に、定期借家契約の方が期待利回りを低く設定できる傾向があります。
これは、貸主である不動産会社にとって、契約期間満了をもって確実に物件が手元に戻るため、計画的な運用が可能になるからです。
将来的に家を買い戻す計画がある場合は、家賃を抑えられる定期借家契約が適しています。
ただし、契約期間内に買い戻す必要がある点には注意しましょう。
長く住み続けたい場合は、普通借家契約や、再契約が可能な定期借家契約を選ぶのがおすすめです。
リースバックをすると何年住める?

リースバック後に住める期間は、賃貸借契約の種類によって決まります。
- 普通借家契約の場合:借主が希望する限り、契約更新によって半永久的に住み続けることが可能
- 定期借家契約の場合:あらかじめ定められた契約期間(2〜3年が一般的)が満了すると退去することになる。ただし、貸主との合意があれば「再契約」できる場合もある
契約期間は当事者間の協議によって自由に設定できます。
長く住み続けたいのか、短期的な利用を想定しているのか、希望をリースバック会社に伝え、最適な契約形態を選びましょう。
リースバックで後悔する人の特徴
リースバックは有効な資金調達手段ですが、計画を誤ると後悔につながるケースもあります。
特に、次のような状態でリースバック契約を結ぶのは危険です。
- 家賃の支払い計画が甘い:売却価格を高く設定しすぎた結果、家賃が収入に見合わない額になり、支払いが困難になってしまう
- 資金の使途が曖昧:リースバックで得た資金の使い道を明確に計画しておらず、無駄遣いしてしまい、結局生活が苦しくなる
- 他の選択肢を検討していない:単なる資金調達が目的で、家に住み続ける必要がないにもかかわらずリースバックを選択し、通常の売却に比べて売却額が低くなり損をしてしまう
リースバックは、目先の資金調達だけでなく、将来の収支計画まで見据えて契約しましょう。
リースバックの家賃設定に関するよくある質問
最後に、リースバックの家賃設定に関するよくある質問に回答していきます。
- 家賃の支払いが遅れたらどうなりますか?
-
数日の遅れであれば、すぐに退去を求められることは少ないですが、遅延損害金が発生する可能性があります。
また、滞納が数ヶ月続くと契約解除となり、退去を求められるリスクも発生します。
支払いが難しいと感じた場合は、すぐにリースバック会社に相談しましょう。
- リースバック期間中に家賃が上がることはありますか?
-
契約内容によって異なります。
定期借家契約の場合は、契約期間中の家賃は固定されることが一般的です。
しかし普通借家契約の場合は、更新時に近隣相場の変動や固定資産税の上昇などを理由に、家賃の見直し(値上げ)が発生する可能性はゼロではありません。
契約前に、家賃改定の条件についてしっかり確認しておきましょう。
まとめ|リースバックの家賃設定を知り有効的に活用しましょう
本記事では、リースバックの家賃を計算する方法と、家賃を安くするポイントについて解説しました。
最後にもう一度、家賃を安くするポイントを振り返っておきましょう。
- 複数のリースバック会社を比較検討する
- 買取価格を調整する
- 信頼できるリースバック会社を選ぶ
- 定期借家契約を検討する
リースバックの家賃は、「売却価格」と「期待利回り」のバランスで決まります。
手元資金と月々の支払いのバランスを考え、自身の希望や将来設計に合った計画を立てるようにしましょう。
リースバックの仕組みをもう一度、しっかり理解したいという方はこちらの記事も合わせて参考にしてみてください。

