この記事では「リースバックの取り扱いをしている銀行・金融機関」について紹介していきます。
原則、銀行が直接リースバックをおこなうことは禁じられています。
本記事では、銀行がリースバックをおこなえない理由や、リースバックの契約先の選ぶコツについても解説します。
リースバックは銀行で利用できる?
銀行は、銀行法によって他業をおこなうことが禁止されているので、銀行が直接リースバックをおこなうことはできません。
しかし、宅地建物取引業法の免許を持っている不動産会社と提携をすることによって、銀行でもリースバックの提供自体は可能です。
ただし、実際にリースバックを提供している銀行は少ないです。
リースバックの取り扱いをしている銀行・金融機関
リースバックの取り扱いをしている銀行・金融機関については、以下があります。
- 福島銀行
- セゾンファンデックス
- 常陽銀行
- SBIスマイル
- ハウスドゥ
先述したように、リースバックを提供している銀行は少ないので、以下を参考にしてください。
福島銀行
出典:福島銀行
項目 | 内容 |
会社名 | 株式会社福島銀行 |
住所 | 福島県福島市万世町2-5 |
資本金 | 186億円 |
設立年 | 1922年 |
福島県にある地方銀行で、SBIスマイル株式会社と提供を提携してリースバックを提供しています。
単独でリースバックを提供することができないので、福島銀行に依頼したとしても、福島銀行からSBIスマイル株式会社に紹介する流れになります。
セゾンファンデックス
出典:セゾンファンデックス
項目 | 内容 |
会社名 | 株式会社セゾンファンデックス |
住所 | 東京都豊島区東池袋三丁目1番1号 サンシャイン60 37階 |
資本金 | 45億9万8,000円 |
設立年 | 1984年 |
セゾンファンデックスは、クレジットカード会社のクレディセゾン社のグループ会社です。
不動産担保ローンをメインに賃金業をおこないます。
金融機関であるため銀行法は適用されないので、宅地建物取引業法を取得でき、リースバックの提供もおこなえます。
常陽銀行
出典:常陽銀行
項目 | 内容 |
会社名 | 株式会社常陽銀行 |
住所 | 茨城県水戸市南町2丁目5番5号 |
資本金 | 851億円 |
設立年 | 1935年 |
茨城県にある地方銀行で、リースバックとリバースモーゲージの2つのサービスの利用が可能です。
リースバックは、株式会社セゾンファンデックまたは香陵住販株式会社と提携することでサービスを提供しています。
リバースモーゲージについては、住宅金融支援機構の商品「リ・バース60」の提供もおこなっています。
SBIスマイル
出典:SBIスマイル
項目 | 内容 |
会社名 | SBIスマイル株式会社 |
住所 | 東京都新宿区西新宿2-6-1新宿住友ビル22階 |
資本金 | 9,500万円 |
設立年 | 2012年 |
SBIグループの会社で、リースバックをメインサービスとしている不動産会社です。
宅地建物取引業の免許を持っているので、独自でリースバックのサービスを提供しています。
一級建築士による建物調査も無料で実施しています。
ハウスドゥ
出典:ハウスドゥ
項目 | 内容 |
会社名 | 株式会社And Doホールディングス |
住所 | 東京都千代田区丸の内1丁目8番1号丸の内トラストタワーN館17F |
資本金 | 33億7,645万円 |
設立年 | 2009年 |
ハウスドゥは、不動産会社のフランチャイズチェーンで、リースバックを強みにしています。
お客様一人ひとりに合わせた最適なプランを提供することが可能で、業界でもトップクラスの信頼を獲得しています。
多くの不動産情報を持っており、適切な審査をおこなうことができます。
リースバックを利用するメリット
リースバックは、以下のメリットがある方法です。
- 短期間でまとまった資金が手に入る
- 売却が周りに知られない
- 家の維持にかかるコストがなくなる
これからリースバックをおこなおうと検討しているのであれば、より具体的なメリットを理解した上で、相談をおこないましょう。
短期間でまとまった資金が手に入る
リースバックはリースバック業者が一括現金で買取をします。
そのため、短期間でまとまった資金が手に入ります。
一般的な不動産売買では、買主を探すところから売買の手続きまでに数か月はかかってしまいます。
リースバックであれば、最短数日で家を売却することも可能です。
また、資金の使い道は制限されていないので、生活費や老後に向けた貯金、事業資金などにも利用できます。
売却が周りに知られない
リースバックを利用して家を売却すると、家を売却していることが周りに知られません。
なぜなら、売買活動をしないからです。
通常の不動産仲介で家を売却してしまうと、買い取った家を第三者に売却するために、広告やチラシなどを使った売買活動をしなければいけません。
家の売却を知られることで周囲の目が気になる人は、リースバックを検討すると良いでしょう。
家の維持にかかるコストがなくなる
リースバックを利用することによって、家の維持にかかるコストを無くせるメリットがあります。
基本的に、戸建ての家を維持するには、以下のコストがあります。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 修繕費
- 管理費
また、災害などによって倒壊や損壊してしまい、建物の資産価値が損なわれてしまうリスクを負う必要もなくなります。
リースバックを利用するデメリット
リースバックには、以下のデメリットもあるので注意してください。
- 家賃を支払う必要がある
- 売却価格が安くなる傾向がある
- いつまで借りられるのか分からない
メリットとデメリットを比較しながら、リースバックを検討しましょう。
家賃を支払う必要がある
リースバックを利用すれば今まで通りの家に住み続けることができますが、毎月家賃を支払わなければなりません。
毎月支払う家賃は、売却価格や家賃相場、築年数などによって決定されるので、家の売却価格が高くなると家賃も高くなる傾向です。
もし毎月の家賃が高くなってしまった場合、家賃が支払えなくなるリスクもあるので注意してください。
売却価格が安くなる傾向がある
リースバックを利用すると、家の売却価格が相場以下になってしまう可能性があります。
リースバック業者は、買い取った不動産を他の買主に売却した利益で儲けたり、賃貸収入によって儲かったりする仕組みなので、できるだけ売却価格を下げようとします。
少しでも、高く家を売りたい場合は、不動産を仲介して第三者に売却したほう良いでしょう。
いつまで借りられるのか分からない
リースバックの賃貸借契約は、契約期間が決められている「定期賃貸借契約」になるケースが一般的です。
定期賃貸借契約は、文字通り「定期」の定めがあり、状況によっては更新できないケースがあります。
そのため売却した家に長く住み続けたい場合には、借主に正当な理由が無い限り更新を拒むことができない「普通賃貸借契約」でリースバックを利用しましょう。
リバースモーゲージとの違い
リバースモーゲージとは、家を担保に金融機関から融資を受けることができるサービスです。
リースバック同様に、家に住み続けられるメリットがありますが、基本的な仕組みは大きく異なります。
具体的なリバースモーゲージとリースバックとの違いについては、以下のとおりです。
リバースモーゲージ | リースバック | |
対象者 | 個人 | 個人と法人 |
対象物件 | 一戸建てやマンション | 不動産全般 |
使用用途 | 制限されるケースもある | 自由 |
年齢制限 | 55歳~80歳 | なし |
所有権 | 売却するまで現在の所有者 | 売却先の不動産事業者 |
固定資産税 | あり | なし |
家族との同居 | 本人・配偶者・子供 | 可能 |
契約終了時の選択肢 | 売却のみ | 買い戻しが可能 |
住宅ローン | 抵当権が設定されていない不動産のみ | 抵当権が設定されていても利用可能 |
リバースモーゲージでは、上限金額に応じた借入が可能で、リースバックでは売却した代金を受け取ることが可能です。
また、リースバックは基本的に誰でも利用することができますが、リバースモーゲージでは、55歳~80歳までと利用できる人に制限があります。
リースバックの契約先の選ぶコツ
リースバックの契約先を選ぶコツについては、主に以下3つがあります。
- 信頼性があるか
- サービス内容を比較する
- 諸費用
それぞれどのような点に注目して契約先を選ぶのか、以下で解説します。
信頼性があるか
リースバックの契約先の選び方として、借主としての信頼性があるかどうかを確認しましょう。
家を売却後、リースバック業者の経営が不安定で倒産してしまうと、第三者に家が売却されてしまい、住み続けることができなくなります。
また、担当者との相性もリースバックの契約先の選び上で重要なポイントになります。
担当者と相性が良ければ、悩みや要望を的確に伝えることができ、ストレス無くスムーズに取引をおこなえます。
サービス内容を比較する
リースバックの契約先を選ぶ際には、サービス内容を比較しましょう。
サービス内容を比較する際には、以下の項目を確認してください。
- 普通建物賃貸借契約か定期建物借家契約かどうか
- 買い戻し特約は利用できるかどうか
- 賃貸借契約には敷金・礼金・更新手数料は発生するのか
- その他に特有のサービスを行っているかどうか
比較する際は、比較サイトを利用すると便利です。
比較サイトを利用する
リースバックの契約先を選ぶ際に比較サイトを利用することで、効率よく複数のリースバック業者の比較が可能です。
所有している不動産の情報を入力すれば、複数のリースバック業者の買取価格を提示してもらうことができるので、ぜひ活用してみてください。
また、比較サイトによっては専門的な情報をもらえるケースもあります。
諸費用
リースバック契約先を選ぶ際に比較したいのが、リースバックにかかる諸費用です。
諸費用は、不動産売買にかかるものと不動産賃貸にかかるものにわかれ、以下のようになります。
不動産売買にかかる諸費用 | ・登記費用:1~3万円程度・印紙代:1万円程度・仲介手数料:物件価格×3%+6万円が上限 |
賃貸にかかる諸費用 | ・敷金、礼金:家賃の0~2ヶ月分・保証料:家賃0.5~1ヵ月分・火災保険料:2~5万円 |
リースバックの諸費用は、基本的に売却代金から支払われるので、自身で諸費用を別途準備する必要はありません。
しかし、諸費用を少しでも抑えたい場合は、いくつかの契約先を比較して、費用の少ない業者を選びましょう。
自分の要望に合ったリースバック業者を選ぼう
今回は、リースバックを銀行で利用できるか否かについて解説しました。
先述したように、銀行でもリースバックを提供していますが、提供している銀行自体が少ないので、銀行よりも不動産会社に相談した方が適しているといえます。
今回の記事を参考にしながら、自身に合った契約先を見つけてください。