マンションを売却する際の注意点を紹介!売却の流れ・コスト・失敗例を解説!

「マンションを売却する際に注意しないといけないことは?」

「マンション売却の実際の失敗例はどんなことがある?」

上記のようにマンション売却で悩んでる方はいると思います。

マンション売却で失敗しないためには、事前に不動産売却に関する知識を把握しておくことが大切です。

本記事では、「マンション売却にかかるコスト」や「マンション売却する際に注意点」について紹介します。

これからマンション売却を考えてる方は参考にしてください。

目次

マンション売却の流れについて

マンション売却は、「売却前」「売却活動」「売却後」ですることが多いので注意が必要です。

主なマンション売却の流れは以下になります。

  1. 売却準備(書類の準備など)
  2. 売却するマンションの査定
  3. 媒介契約の締結
  4. マンションの売り出しを開始する
  5. マンションの付帯設表の記載
  6. 内覧の対応
  7. 売買契約の締結
  8. 引き渡し
  9. 確定申告する

上記の流れでマンション売却を進めていき、売却までに3カ月から半年の期間がかかるのが一般的です。

マンションの査定は、申し込みしてから結果が出るまで約1週間ほどかかるため、早めに査定に申し込むようにしてください。

査定の結果が出たら、売却額の交渉などを行い、不動産会社の条件を見て媒介契約を結ぶ不動産会社を決めます。

売却額は、不動産によって変わってくるので、複数社で見積をして条件が良いところを選ぶことが大切です。

媒介契約を結ぶとマンションの売り出しが始まり、購入希望者に内覧への対応などの売却活動をします。

この対応も不動産会社に依頼することができるので労力を省くことができます。

マンションの売却が決まれば、売買契約を結び、買主へ引き渡します。売却した翌年には忘れずに確定申告を行うようにしてください。

マンション売却にかかるコスト

マンションを売却する際に、売主も費用がかかります。

マンション売却にかかる主なコストは以下になります。

  • 仲介手数料
  • 印紙代
  • 登記費用
  • 譲渡所得税

上記のコストがかかるのでマンションの売却額がそのまま利益ではありません。

それぞれのコストについて解説していきます。

仲介手数料

マンション売却の手数料は一般的に、売却価格の3%+ 6万円と消費税がかかります。

マンションを売却する際に依頼した不動産会社に支払う費用です。

仲介手数料の上限額は、宅建業法で決められており、具体的な計算式は、以下の通りです。

不動産の取引額仲介手数料(消費税別)
200万円以下取引額×5%
200万円超から400万円以下取引額×4%+2万円
400万円超取引額×3%+6万円

仲介手数料は高額になるので、大体の金額を把握しておきましょう。

印紙代

マンション売却が決まって買主と売買契約を結ぶ際、不動産売買契約書に収入印紙を貼付する必要があります。

具体的な印紙代は以下の通りです。

記載された契約金額税額(印紙代)
500万円を超え 1,000万円以下のもの5千円
1,000万円を超え 5,000万円以下のもの1万円
5,000万円を超え 1億円以下のもの3万円

不動産会社によっては売主の印紙を買いに行く手間を省くため、収入印紙を用意しておいてくれる会社もあります。

買主と売買契約を結ぶ際に上記のように印紙代がかかってきます。

登記費用

マンションを売却するためには、不動産に設定されている抵当権を抹消する手続き(抵当権抹消登記)をおこなう必要があります。

この手続きをしないと、マンションを売却することはできません。

抵当権抹消登記にかかる費用は1万円前後で、売主が負担するのが一般的です。

内訳は、以下になります。

登録免許税不動産の数×1,000円
司法書士への報酬1万円前後

抵当権抹消の登記費用は、登録免許税が「不動産1個につき1千円」、司法書士手数料は「1万円前後」になります。

抵当権の抹消登記は、ローンが完済した場合に自分で行うこともできますが、ローンがしていない物件を売却する場合には司法書士に依頼することが一般的になります。

マンションを売却する際には、登記費用 (抵当権抹消登記)に約1.5万円の費用がかかります。

譲渡所得税

「譲渡所得」とは、マンションや土地などの資産を売却して得た利益のことです。

この譲渡所得にかかる住民税と所得税をまとめて譲渡所得税と呼びます。

「譲渡所得」の計算式は以下になります。

譲渡所得 = 譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用

  • 譲渡収入金額:マンション売却によって得た金額
  • 譲渡費用:マンション売却にかかった費用
  • 取得費用:マンションの取得にかかった費用から減価償却費を引いた金額

「譲渡所得税」の計算式は以下になります。

譲渡所得税 = 譲渡所得 × 税率

譲渡所得税の税率は、マンションの所有期間によって変わります。

マンションの購入から売却した年の1月1日までの期間が、5年を超える場合の税率は20.315%、5年以下の場合の税率は39.63%です。

上記の計算式の元に計算され、マンション売却した際は「譲渡所得税」の費用がかかります。

マンション売却する前の注意点

マンションを売却する前の注意点は以下になります。

  • マンションの査定は複数の業者で見積をする
  • マンションの査定額と売却額は同じではない
  • 住宅ローンを完済できるかを確認
  • 会社の規模よりも担当者が大切

注意点が最も多いのはマンション「売却前」です。マンションを賢く売却するために、相場や不動産会社の下調べが一番大切になります。

それぞれの注意点について解説していきます。

マンションの査定は複数の業者で見積をする

複数の会社に査定を依頼することでマンションの売却相場を把握できます。

相場を知っておくことで、適切な売り出し価格を提示することができ、スムーズな不動産売却につながります。

1社の査定結果だけでは、その額が相場価格として妥当であるかどうか分かりません。

そこで複数の不動産会社に査定を依頼し、それぞれの査定額を比較することで、適切な売り出し価格の設定にすることができます。

複数の不動産会社で査定することで、売却相場を把握することができ、安売りすることも防ぐことができます。

マンションの査定額と売却額は同じではない

マンション売却では、マンションの査定額=売却額になるとは限らないので注意が必要です。

査定額より高く売却できるケースもあれば、低くなってしまうこともあります。

マンション売却では、査定額はあくまでも「売却予想額」のため、実際にその価格で売れるかどうかはわかりません。

条件に合った購入希望者が現れれば売り出し価格で売却することもできますが、買主の購入希望額が売り出し価格より低い場合は、交渉を行わなければいけません。

交渉した結果、納得のいく金額で最終的なマンションの売却額が決定されます。

なので、査定額=売却額を同じように考えてると、実際の売却が低く、損した気持ちにもなるので、最初から査定額と売却額の違いについて把握しておきましょう。

住宅ローンを完済できるかを確認

マンションを売却するには、抵当権を抹消する必要があり、抵当権抹消には、住宅ローンの完済が条件になります。

そのため一般的に、マンションを売却するためには、住宅ローンを完済しなくてはなりません。

売却の際に、マンションの売却金額が住宅ローン残債を上回る場合をアンダーローンといい、下回ってしまう場合をオーバーローンといいます。

オーバーローンの場合でもマンション売却することは可能ですが、住宅ローンを契約している金融機関に承諾を得るなど、新しく「無担保ローン」で借り入れして住宅ローンを完済したり、面倒な手続きが発生します。

そのことから、マンションを売却してからもローンが残らないように住宅ローンを完済できるかを確認するようにしてください。

不動産会社の規模よりも担当者が大切

大手の不動産会社は、マンション売却の取扱実績も豊富で、買い手の顧客リストも多く、サポートも充実していることが多いです。

しかし、会社の規模だけで不動産会社を選ぶより、担当者の質がより大切になります。

なぜなら、担当者によって、幅広い不動産知識を持っていたり、物件のあるエリアに精通していたり、エリアによって顔が効いたりと、何らかの特長を持っている担当者が多いからです。

なので、大手不動産会社に依頼するより売却額が高くなったり、売却にかかるまでの期間を短縮できたりメリットがあります。

失敗しない不動産売却のコツは、業者の規模より自分に合った担当者がついてくれている事が大切になります。

マンションを売却する際は、会社の規模より担当者を重視するようにしましょう。

マンション売却活動中の注意点

マンション売却活動中に注意したいポイントは以下です。

  • 担当者とこまめに連絡をとる
  • 買主の与信に注意する
  • マンションの状態を正確に報告する

マンション売却活動中の各注意点についてご紹介していきます。

担当者とこまめに連絡をとる

営業担当者と連絡をこまめにすることが大切です。

売却活動期間は、定期的な状況報告義務がないため、どのように売却が進んでいるのかを把握しづらくなります。

営業担当者にこまめに連絡することで、営業担当者のモチベーションも維持できるため、積極的に連絡を取るようにしてください。

また、状況を把握することで、売却額を少し下げて早期に売却できるように対策をすることができます。

売却活動中の際は、こまめに連絡を取り、状況等を共有してもらうようにしましょう。

買主の与信に注意する

マンションを購入する際には、住宅ローンを組むことが一般的ですが、買主の与信によっては住宅ローンの審査に通らない可能性があります。

もし、住宅ローンの審査に通らなければ、買主はマンションを購入しない可能性が高くなるため、その前に手付金を支払っている場合、手付金が無駄になってしまうケースもあります。

手付金の金額の目安は、売買代金の5〜10%ほどが一般的です。

例)3,000万円で売却するマンションの場合

3,000万円×5〜10%=150〜300万円が手付金となります。

手付金の支払いタイミングは、購入希望者が現れてから、売買契約締結後に支払います。

そのため、手付金を支払う場合は、買主が住宅ローンの審査に通ってからにするようにしてください。

マンションの状態を正確に報告する

売主が把握しているマンションの状況は、不動産会社に正確に報告するようにしましょう。

マンションでは事例が少ないですが、雨漏りなどは「隠れた瑕疵」に該当し、そのまま売却すると買主間でのトラブル、管理に関する問題などトラブルに巻き込まれるおそれがあります。

瑕疵と呼べるほどのものは以下になります。

  • 床のへこみ(長期の家具によってできたもの)
  • 壁の穴(ぶつかってできたなど)
  • 窓にあるヒビ

上記の細かい箇所の状況なども把握し、不動産会社に報告することで後のトラブル対策になります。

瑕疵を隠したりすると、後で買主が内覧時に見つけたとき、売買契約時に値下げ交渉の材料になってしまうことがあるので注意が必要です。

売却後にトラブルを避けるために、マンションの状態を正確に報告するようにしてください。

マンション売却した後の注意点

マンションを売却した後の注意点は以下になります。

  • 引き渡しするために速やかに引っ越しする
  • 引き渡し当日は時間がかかることがある
  • 確定申告を行う

マンション売却後は、新居への引っ越しや確定申告などが必要です。

それぞれの注意点について説明していきます。

引き渡しするために速やかに引っ越しする

マンション売却後はできるだけ早く引き渡しを行なわなければなりません。

売買契約前に引越しおよび引渡しまでの段取りを確認して、日程を決めることが大切です。

引渡後に、引っ越したい場合には、売却物件の売買契約書において買主の承諾を取って「引渡猶予特約」を締結することが必要になります。

一般的に、引渡猶予特約で引渡を猶予できる日数は3〜10日程度とされています。

猶予期間中に万が一天災等で物件が滅失した場合、そのリスクは売主が負うこととするのが一般的なので注意するようにしましょう。

そのようなリスクもあるので、引渡しする1か月前から引っ越し準備を行ない、スムーズに引渡しできるようにしましょう。

引っ越しには、物件探しや荷造りなど時間がかかるので、売価活動中から計画的に段取りを組んで行なうようにしてください。

引き渡し当日は時間がかかることがある

マンション売却の決済は、売主と買主、不動産仲介業者、司法書士の4者が集まっておこなわれ、思った以上に時間がかかることがあります。

金融機関によって、1〜2時間近く時間がかかる場合もあるため、当日はなるべく別の予定を入れないようにしましょう。

また、実印や銀行印、通帳などが、当日に必要になるので、忘れてしまった場合は、当日中の引き渡しが難しくなるケースもあるため注意が必要です。

そうなると再度、日程を設けて行わなくてはいけないので、買主や不動産仲介業者、司法書士の方に迷惑をかけることになります。

引き渡し当日は時間がかかることがあるので、別の予定を入れずに時間を充分に確保するようにしてください。

確定申告を行う

マンションの売却で売却益が発生した場合は、確定申告を行う義務があります。

利益があり確定申告が必要だとわかっていながら申告をしないと「申告漏れ」になり、自主的に手続きをしないと払っていない期間分の延滞税がかかることにもなるので注意が必要です。

確定申告はマンションを売却した翌年の2月16日〜3月15日までの間に行う必要があり、年度によって少しスケジュールが変わることもあるため、事前に準備しておかなければなりません。

マンション売却が年末の場合は、確定申告まで時間が少なくなるので早めに準備するようにしてください。

一方、損失が出た場合は確定申告の義務はないですが、確定申告すると節税できる、メリットがある場合がありますので申告するようにしてください。

マンション売却の失敗例

マンション売却の失敗例は以下になります。

  • 査定時のマンションの状態がよくなかった
  • 設定価格が高く、全然売れなかった
  • マンションが売れにくい時期に出してしまった
  • 値下げをし過ぎて失敗した

売却を経験した方の失敗事例を紹介していくとともに、失敗の原因と対策をわかりやすく徹底解説していきます。

査定時のマンションの状態がよくなかった

査定時に室内が汚く汚れていたため、査定額が下がってしまったということは多いです。

中古マンションであっても、生活感が少なく、きれいに清掃がされているほうが印象がよくなります。

一般的には、売却活動を始める前に部屋を綺麗に清掃するため、査定時に少し散らかっているぐらいなら、査定額が下がることはありません。

しかし、部屋のひどい汚れは査定額を下げる原因につながり、マンション本来の価値を下げてしまう可能性があるので注意しましょう。

家の劣化や汚れの状態は、査定額を決めるうえでの指標となるので、水回りなどの清掃を行い、状態をよく見せることで、不動産会社の印象がよくなり査定額があがる可能性があります。

マンションの査定時には最低限整った状態で査定するようにしてください。

設定価格が高く全然売れなかった

高く売りたいことから、周辺相場より売り出し価格を高くで設定したため、買主が見つからず時間だけ浪費してしまうことがあります。

売り出し価格は売却の結果を大きく左右するので、相場を踏まえた適正な売り出し価格を設定することが大切です。

市場の相場と大きくかけ離れた売り出し価格にしてしまうと、問い合わせ自体が減ってしまい、「不人気物件」「売れ残り物件」という印象がついてしまいます。

相場観のある価格を設定することでスムーズな売却につながります。

マンションが売れにくい時期に出してしまった

マンションの売却には、「適した時期」というものがあり、期末や年度末は売れやすくなります。

マンション売却に適した時期は、最も需要が増える新生活がスタートする直前の2月〜3月頃になります。

この理由は、転勤、就職、入学といった4月からの新年度・新生活スタートに向けて、中古マンションの需要が高まるからです。

また、マンションが売れにくい時期は1月と8月といわれております。

年末年始の12月〜1月は帰省する人や仕事が忙しい人が多いので単純に需要が少なくなります。

8月に関しては、季節的な問題で猛暑が続く中、物件の内覧に積極的な人は少ないので売れにくいと考えられます。

なので、マンション売却する際は売れやすい時期の2月〜3月に合わせて行なうのがおすすめです。

まとめ

マンションを売却する際には、「売却前」「売却活動中」「売却後」によって注意すべきポイントがたくさんあります。

マンションを売却する前の注意点
  • マンションの査定は複数の業者で見積をする                                        
  • マンションの査定額と売却額は同じではない                                        
  • 住宅ローンを完済できるかを確認                                        
  • 会社の規模よりも担当者が大切       
マンション売却活動中に注意したいポイント
  • 担当者とこまめに連絡をとる                                        
  • 買主の与信に注意する                                        
  • マンションの状態を正確に報告する  
マンション売却した後の注意点
  • 引き渡しするために速やかに引っ越しする                                        
  • 引き渡し当日は時間がかかることがある                                        
  • 確定申告を行う     

本記事では、「マンション売却の流れや費用」など、「マンション売却で失敗しないためのコツや注意点」を紹介しました。

注意点を理解したうえで、マンションを売却することにより失敗するリスクを回避することができます。

当社もマンション売却に関するご相談を承っておりますのでお気軽にご相談ください。

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