「リースバックを利用すれば、どれくらいで買い取ってくれるのか」
「リースバックの家賃はどれくらいになるのだろう」
リースバックは大きなお金が必要になったときに便利なシステムです。
しかし、リースバックを利用するにあたって、買取価格やその後の家賃がどれくらいになるのかは、非常に気になるところです。
この記事では、リースバックの買取価格と家賃の相場について詳しく解説しています。
さらに、なぜ「リースバックはやめたほうがいい」といわれることがあるのかについても、わかりやすく説明します。
この記事を読めば、リースバックのメリットとデメリットが理解でき、自分に最適なリースバックの買取価格がわかります。
まずは買取価格がどのくらいになるのかを知っておきたいという方は、最大10社の一括査定をしてみましょう。
リースバック買取価格と家賃の相場
リースバックの買取価格は、市場価格の60〜80%程度が一般的とされています。
買取価格が一般的な市場価格よりも安くなってしまうのは、リースバック会社が将来にわたってその物件を賃貸して得られる収入と、市場価格の変動などのリスクを考慮して買取価格を決定しているからです。
一方、リースバックで設定される家賃は買取価格の7〜13%程度が一般的です。
つまり、ひと月の家賃はこの金額を12ヶ月で割ったものとなります。
家賃が買取価格の10%と仮定すると、計算式は次のようになります。
計算式:1ヶ月の家賃=買取価格×10%÷12ヶ月
買取価格が1,000万円だった場合は、1,000万円×10%÷12=8.3となり、ひと月の家賃は8万円程度ということになります。
家賃は買取価格に応じて変動するため、買取価格が高ければ家賃も高くなり、買取価格が低ければ家賃を抑えられます。
リースバックを検討するときは、「買取価格」と「家賃」のバランスが重要です。
ご自身の状況に合わせ、バランスを見極めて検討しましょう。
相場価格は地域によって差がある
リースバックの買取価格を決定するときには、その物件がある地域の特徴も考慮されます。
売主が家賃の支払いができなくなった場合、リースバック会社はその物件を売却して資金の回収をします。
人気のあるエリアや経済活動が盛んな都市部では、土地が限られており、人口密度も高いので物件が売れる可能性も高くなるでしょう。
そのような物件は、買取価格も高くなる傾向にあります。
反対に、地方や郊外のように土地が豊富にあって、人口密度が低い場合、物件が売れる可能性は低くなります。
したがって、買取価格も低くなるわけです。
ほかにも、インフラの充実度や交通の利便性、地域の経済状況なども買取価格の査定に関わる重要な要素となります。
築年数が古いと下落リスクが低い
物件は築年数が経過するにつれて、価値が低下します。
物件が古いとリースバックにも不利だろうと思われがちですが、実は一概にそうともいえません。
築年数の古い物件は、その経年劣化や古さがすでに反映されているため、価格が安定しているのです。
つまり、築年数が古い物件は新築物件に比べて、今後大きく価値が下落するリスクは比較的低いといえます。
さらに、リースバック会社が物件をリフォームしたりリノベーションすることで、新しい買い手がつくことも考えられるため、予想よりも高く買い取ってくれる可能性もあります。
リースバックの賃貸借期間は必ず確認
リースバックを利用する際には、賃貸借期間を必ず確認しましょう。
リースバックの契約には、賃貸借期間が決まっているものも多くみられます。
賃貸借期間が終了したあとの選択肢についても、事前に検討しておくことが大切です。
賃貸借期間があることを知らないまま契約してしまったことに、あとから気づいても時すでに遅しです。
リースバックした物件にずっと住み続ける目的があるなら、「定期借家契約」ができるリースバック会社を探す必要があります。
将来の生活設計に影響を及ぼすことも考えられるため、契約の際には次のことも確認しておきましょう。
- 契約更新の可否
- 更新時の条件変更
- その他の移行オプション
買取価格はメリットを比較する
買取価格は、高ければいいというものではありません。
買取価格が高ければ、一時的に手元に入ってくる金額は大きいですが、家賃負担が増加します。
月々に払う家賃が高過ぎれば、支払いが困難になる恐れもあることを知っておきましょう。
家賃負担が大きければ、将来物件を買い戻すことも難しくなります。
一方、買取価格が安かった場合、月々の家賃負担が軽くなることはメリットになりますね。
将来物件を買い戻す予定がある場合は、買取価格が安いほうが買い戻しやすいです。
物件のリースバックを利用するときは、買取価格だけに注目するのではなく、その後の生活や目的もしっかりと考慮しましょう。
まずはリースバック会社の一括査定で、どれくらいの買取価格になるのか把握してみましょう。
リースバックで買取価格が高いときのメリット3選
リースバックで買取価格が高いときのメリットは、次の3つです。
- 一括でまとまった現金を受け取れる
- 周囲に知られず売却できる
- ランニングコストを軽減できる
リースバックの買取価格が高ければ、お金の使える自由度も上がります。
会社の財務状況を改善するためだけに使用する目的だったものが、買取価格が高いことで、再投資の機会を得たり、日々の生活基盤を維持・安定させることにお金を回したりすることも可能になるでしょう。
リースバックでの高い買取価格は、現金がすぐに手に入るだけでなく、長期的な視点で財務計画を立て直し、生活の質を向上させる機会だといえます。
一括でまとまった現金を受け取れる
リースバックを利用すれば、一括でまとまった金額の現金を受け取れます。
なんらかの事情で、急に大きな金額のお金が必要になることもあります。
そのような場合にリースバックのシステムは大変魅力的です。
リースバック会社との契約になるため、買い手を探す必要がなく、比較的早く現金を手にできるでしょう。
しかも、所有している物件を売却しつつ、そのままその物件に住めるので、生活や事業の基盤を維持したい人にもぴったりです。
緊急でお金が必要になった場合以外にも、まとまったお金があれば、さまざまな財務的目的に資金を充てることが可能です。
- 将来への投資
- 事業展開
- 借金やローンの返済
- 老後の資金確保
周囲に知られず売却できる
リースバックの魅力は、周囲に知られず売却できることです。
リースバックを利用せずに物件を売却しようとすると、売却情報がホームページやチラシなどで広く公開される恐れがあります。
大きな金額が動く取引ですし、ご近所の視線も気になるところなので、なるべく周囲に知られたくないところです。
そのような場合でもリースバックのシステムを利用すれば、売却した後も同じ物件に住み続けられるので心配はありません。
売却の理由など、プライバシーに関わる問題を公にすることなく財政的な問題をクリアできるのは、リースバックがもつ特徴のひとつです。
ランニングコストを軽減できる
リースバックを利用すると、物件の所有者はリースバック会社になるため、ランニングコストを軽減できます。
ランニングコストとは、不動産を保有していることで必要な税金や、修理・保守などにかかる費用、保険などの必要経費のことです。
加えて、リースバックした物件がマンションなどの場合、共用部分の維持管理などにかかる費用も、所有者であるリースバック会社が負担することとなります。
- 固定資産税・都市計画税
- メンテナンス費用
- 保険料
- 管理費
ただし、どの費用をリースバックが負担するかについては、リースバック会社によって違う場合があります。
リースバック契約の前には、ランニングコストについても明確に理解し、契約内容をしっかり確認しましょう。
リースバックはやめたほうがいいといわれる理由3選
「リースバックはやめたほうがいい」との意見を耳にすることがあります。
主な理由は次の3つです。
- 家賃が相場よりも高くなることもある
- 賃貸借期間は無期限ではない場合がある
- 物件の所有権が買取業者になる
リースバックは、内容をよく理解せずに契約すると、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。
しかも、大きな金額を取引するので、そのトラブルも深刻なものになりがちです。
これが、「やめたほうがいい」といわれている一番の理由といえるでしょう。
やめたほうがいいといわれている理由をきちんと理解すれば、リースバックは決して危険なものではありません。
家賃が相場よりも高くなることもある
リースバックで住む物件の家賃は、相場より高くなることもあります。
一括でまとまったお金が手に入るのが魅力のリースバックですが、そのお金は物件を売却したことで得たものです。
同じ物件に住み続けるならば、物件を管理しているリースバック会社に家賃を払わなければなりません。
リースバックの家賃相場は、地域の相場を基準にしておらず、多くの場合買取価格の7~13%程度に設定されます。
つまり、家賃は買取価格で決まるということです。
買取価格が高ければ一括で入ってくるお金も多い一方で、家賃が高くなるというデメリットもあります。
買取価格と家賃の関係をしっかり理解していないと、将来的に家賃を払えなくなる恐れがあることを理解しておかなければなりません。
賃貸借期間は無期限ではない場合がある
リースバックの賃貸借期間は無期限ではない場合もあります。
リースバック会社との賃貸借契約は、「定期賃貸借契約」なことが多いので注意が必要です。
定期賃貸借契約は、契約終了時に自動的に賃貸借関係が終了し、自動更新もありません。
よって、契約した期間が終了したら、その物件に住めなくなり、引越しを余儀なくされる恐れもあります。
賃貸借契約の確認を怠ると、今後も家賃を払いながら、長くその物件に住もうと思っていたのに、急に退去を勧告されることになりかねません。
現在の物件に長く住む予定であれば、「定期借家契約」ができる会社を選ぶと安心です。
「定期賃貸借契約」の場合は、期間の確認や更新が可能かどうか、契約途中での解約ができるかどうかについて、しっかり確認しておく必要があります。
物件の所有権が買取業者になる
リースバックを利用した物件の所有権は、リースバック会社になります。
売却した物件に住み続けることはできますが、すでに自分のものではありません。
リフォームやリノベーションを行うにも、所有者であるリースバック会社の許可を得る必要があります。
また、売却してから不動産価値が上がったとしても、その恩恵は受けられず、住んでいる間中家賃を払うことになります。
ランニングコストの負担がないというメリットは大きいですが、将来的なコストも十分に考えなければなりません。
自宅は財産ですので、「財産がなくなってしまった」という喪失感が生まれる恐れもあります。
リースバック会社を選ぶときの重要なポイント
リースバック会社を選ぶときの重要なポイントを抑えておきましょう。
- 「売却目的の会社」か「投資目的の会社」かを確認
- 買取価格と家賃、賃貸期間のバランスで選ぶ
- ニーズにあった柔軟な対応をしてくれるか
リースバック会社を選ぶ場合、まず重要なのは依頼しようとしているリースバック会社が「売却を目的」としているのか「投資を目的」にしているのかです。
将来的に物件を売却する目的のリースバック会社は、家賃は低めですが賃貸借期間は短い傾向にあります。
売却することが目的なので更新ができず、物件に長く住みたい場合は不向きです。
一方の投資目的の場合は利回り重視のため、長く住める代わりに家賃が高めになります。
リースバック契約を検討する場合は、「居住期間」「家賃負担」「買取価格」のバランスが重要です。
その上で、リースバック会社にはそれぞれの特徴があります。
まずは、どのようなリースバック会社があるのか、自分のニーズに答えてくれそうなリースバック会社はあるのかを、一括査定で比較検討してみるのがおすすめです!
リースバックで家賃が払えなくなる?理由と回避策を解説
リースバックで家賃が払えなくなる理由と、その回避策を確認しておきましょう。
あらかじめ家賃が払えなくなる理由を知っておくことで、家賃を低めに設定できるよう買取価格を調整するなどの対策ができます。
逆に、いっとき大きなお金が必要なだけで、すぐに物件を買い戻せるようなあてがあるのであれば、なるべく高額で買い取ってもらうのもひとつの手ではあります。
家賃が払えない事態におちいってほしくはありませんが、万が一そうなってしまった場合にどう行動すればいいかを頭の片隅に入れておけば、冷静に対処できるでしょう。
家賃が払えなくなる理由
家賃が払えなくなる理由は、さらなるお金が必要になった場合です。
急にお金が必要になる場面を、いくつか考えてみましょう。
- リストラ
- 病気・けが
- 事故・災害
- 学費
- 冠婚葬祭
リストラにあったり、病気や怪我で働くことができず、急に収入源が絶たれてしまうと、家賃にまで手が回らなくなる恐れもあります。
とくに、病気やけがは入院や治療にもお金がかかるため、家計に大きな負担を与える場合もでてくるでしょう。
人生の中で急な出費が必要になる場面は必ずあります。
そのためにも、緊急時の資金は確保しておくことが非常に重要です。
家賃を払い続けることが負担にならないよう、これらを考慮して買取価格を設定しましょう。
契約解除までの目安期間は3ヶ月前後
家賃を滞納した場合、すぐに退去させられるわけではありません。
契約解除までの目安期間は、おおよそ3ヶ月です。
3ヶ月連続で家賃の不払いが続くと、リースバック会社に契約解除できる権利が生まれます。
ただし、契約によっては2ヶ月と規定している場合もありますので、詳しくはご自身の賃貸借契約を確認しましょう。
どちらにせよ、1回家賃を払うのが遅れた程度では、契約解除にまではならないということです。
とはいえ家賃を滞りなく払うことは、リースバック会社との信頼関係において非常に重要です。
万が一家賃の支払いに遅れが生じそうな場合は、速やかにリースバック会社に連絡し、誠意をもって対応しましょう。
住居確保給付金制度の利用を検討する
住宅確保給付金制度とは、厚生労働省の生活支援制度のひとつです。
離職などによって経済的に困窮し自宅を失ってしまった人だけでなく、住居を失うおそれがある人も支給対象となっていますので、この制度を利用できないか検討してみるのも良いでしょう。
ただし、この制度は申し込みをしてから審査があるため、すぐにお金が振り込まれるわけではないことに注意が必要です。
家賃が払えなくなるかもしれないと思った時点で、早めに申請できないか検討しましょう。
制度の詳細は、厚生労働省の生活支援特設ホームページを確認してください。
まとめ|リースバックは買取価格・家賃・賃貸借期間で考える!
この記事では、リースバック買取価格と家賃の相場について解説しました。
リースバックでの買取価格が高い場合、一度に手にする金額は大きいですが、家賃が高くなるというデメリットもあります。
リースバックを利用する際には、家賃を払い続けられるかについても十分検討しておかなければなりません。
つまり、リースバックの買取価格は高ければ良いというわけではなく、家賃とのバランスが重要だということです。
また、将来的に物件をどうしたいのかも考えておく必要があります。
リースバックは、緊急時に大きな金額を手に入れられる便利なシステムですが、よく知らないまま契約をすると大変なことになってしまいます。
システムをよく理解し、リースバック会社との契約書を隅々まで確認してから契約しましょう。
リースバックを検討するなら、リースバック会社をいくつか検討・査定してみて、自分の状況に一番あったところを選ぶことが大切です。
まずは一括査定で、リースバック会社の比較検討をしてみましょう。