リバースモーゲージは悲惨って本当?デメリットや仕組みを解説

リバースモーゲージは悲惨?」
「リバースモーゲージのデメリットは?」

リバースモーゲージに対して、このような不安をお持ちの方も多いかと思います。

リバースモーゲージは悲惨ではありません。

ですが、デメリットやリスクをしっかり理解できていれば、悲惨な状態に陥る可能性は低くなります。

この記事では、リバースモーゲージのデメリットや仕組みについてを詳しく解説しています。

リバースモーゲージの利用を検討している方は、是非参考にしてみてください。

この記事でわかること
  • リバースモーゲージとは?
  • リバースモーゲージが悲惨と言われるデメリット8選
  • リバースモーゲージのメリット
  • リバースモーゲージで罠にはまらないコツ
  • リバースモーゲージに向いている人
  • リバースモーゲージ以外の資金調達方法
目次

リバースモーゲージとは?

リバースモーゲージとは、主に60歳以上の高齢者が自宅を担保にして金融機関からお金を借りる仕組みです。

この制度の最大の特徴は、借りたお金の返済が生前には必要なく、契約者が亡くなった後や不動産を売却した時に、その売却額でローンを返済する点にあります。

月々の支払いも利息分だけなので、負担が少なくて済むのが魅力です。

自宅に住み続けながら、資産を活用して生活資金を得られるため、安定した老後生活を送ることが可能になります。

借入額は自宅の価値や借入者の年齢に基づいて決定され、通常年齢が高いほど、また自宅の価値が高いほど多くの資金を借り入れできます。

受け取り方も一時金や定期預金のように月々の収入とするなど、複数のオプションから選択可能です。

リバースモーゲージを適切に利用すれば、老後の資金繰りを大きくサポートする有効な手段となるでしょう。

リバースモーゲージによる資金調達は、自宅という貴重な資産を活用しつつ、生活の質を維持するための選択肢のひとつです。

リバースモーゲージが悲惨と言われるデメリット8選

リバースモーゲージのデメリットは以下の8つです。

リバースモーゲージのデメリット
  1. 長生きするとリスクが高まる
  2. 不動産の価値変動で借入額が変動する
  3. 相続人とのトラブルになりやすい
  4. 金利の上昇によるリスクがある
  5. 相続人に債務だけ残る恐れがある
  6. 保証人の同意が必要
  7. 使用用途が決められている
  8. 審査が厳しい

どのデメリットについても、金融機関との契約においてどのような取り決めになっているかを事前に細部まで確認しておくことが大切です。

理解しないまま契約を行い、後悔しないように、是非参考にしてください。

長生きするとリスクが高まる

リバースモーゲージは、長生きをすると自宅を失うリスクが高まることもあります。

そもそもリバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受け、契約者が亡くなった後にその自宅を売却し、一括で返済するというシステムです。

融資を限度額上限まで借りていた場合、想定より長生きした結果、借入金全額を使い切ってしまう可能性があります。

返済計画が立たなくなれば、担保となっている自宅は強制的に競売にかけられてしまい、自宅を失うことにもなりかねません。

また、最近は期限付きの契約でリバースモーゲージを提供している金融機関もあります。

この場合は、期限が来た時点で存命であっても借りたお金を一括返済する必要があります。

返せない場合は、自宅を失うだけでなく、お金も手元に残らず、生活が苦しくなる恐れもあることを理解しておきましょう。

人の寿命は決められませんが、リバースモーゲージを利用する場合は、長生きすることを前提に考えるのがおすすめです。

また、老後に自宅を失ってしまう事態にならないよう、借り入れた資金は計画的に使うことが重要です。
長生きリスクの心配がある場合は、期限付きでないものを選ぶと良いでしょう。

不動産の価値変動で借入額が変動する

リバースモーゲージでは、不動産の価値変動で借り入れできる金額が変わることもあります。

金融機関の商品によっては、不動産評価額の見直しによって融資してもらえる金額が減額となり、実際の利用額が融資額を上回った場合、その差額の一括返済を求めるという取り決めがあるので注意が必要です。

こういった契約の場合、とくに地方では人口減少に伴って不動産需要も減ることが考えられるため、不動産価格の下落リスクを考えておかなければなりません。

不動産評価額の見直しによる借入金の変動があるかどうかは、借入をする金融機関との契約によりますので、必ず確認してください。

相続人とのトラブルになりやすい

リバースモーゲージを利用した場合、契約者が亡くなったら自宅を売却し、今まで借りていたお金を一括返済することになります。

担保にしていた自宅は売却され、配偶者や子どもなどの相続人には相続されません。

もしその家に配偶者と住んでいたとしたら、契約者の死亡によって、配偶者は住む場所を失うことになります。

このような事態を避けるためにも、リバースモーゲージを契約する際には、相続人にあたる人たちと話し合いをし、同意を得ておかねばなりません。

つまり、相続人になる人たちにもリバースモーゲージのメリットとデメリットを知ってもらい、自分の死後に相続される自宅や土地がないことを理解してもらう必要があるわけです。

金利の上昇によるリスクがある

リバースモーゲージは、変動金利制で毎月の利息金額が決定する場合、金利が大幅に上昇してしまうと、毎月の利息が高くなり、支払いが苦しくなる恐れもあります。

今後の景気によっては金利が上昇する可能性もあり、低金利の時に契約した金額よりも多くの利息を支払わなければならない恐れがあることも知っておきましょう。

日本銀行のサイトを定期的に確認することで、金利政策の最新の動向や将来の見通しに関する情報を得られます。

金利の上昇リスクが心配な場合は、固定金利制の金融機関商品を探してみるのも良いでしょう。

相続人に債務だけ残る恐れがある

リバースモーゲージには、リコース型とノンリコース型の2種類があり、リコース型を選ぶと相続人に債務だけ残る恐れがあります。

「リコース型」と「ノンリコース型」の違いは、契約者の死後に物件を売却した際、借入額に満たなかった場合に、相続人が差額分を支払う義務があるかどうかです。

リコース型は、月々の金利支払い分が低めに設定されている反面、もし売却後に借入額が上回った場合には、相続人が不足分の返済をしなければなりません。

一方のノンリコース型は、不足分があっても返済不要ですが、月々に支払う金利が高めに設定されています。

残された子どもなどの相続人に返済の負担をかけないようにするなら、ノンリコース型を選ぶと良いでしょう。

保証人の同意が必要

リバースモーゲージを利用する際、保証人の同意が必要となります。

リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受けるため、万が一返済が滞った場合、金融機関は担保である自宅を競売にかけて債権を回収することになります。

しかし、高齢者になると収入が減少し、返済が困難になるケースも考えられます。

そこで、万一返済が滞った場合に備え、保証人の同意が必要となるのです。

そのため、リバースモーゲージを利用する前に、実際に保証人をお願いする相手には、返済責任を負うことの意味を十分に説明し、承諾を得ることが重要です。

使用用途が決められている

金融機関が提供しているリバースモーゲージ商品は、事業用資金および投資目的以外なら資金用途は原則自由とされてはいますが、金融機関によっては、リバースモーゲージによる資金用途を限定している場合もあります。

特に、金融機関以外の地方自治体の社会福祉協議会や住宅金融支援機構が提供するリバースモーゲージについては、資金用途に制限があります。

あらかじめ、リバースモーゲージで得た資金をどのように使用したいのかについて考えておくと良いでしょう。

審査が厳しい

リバースモーゲージのデメリットとして、審査が厳しいという点が挙げられます。

リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受けるため、金融機関にとっては大きなリスクを伴う商品です。

そのため、借入人の年齢、健康状態、資産状況、自宅の価値など、様々な条件を厳しく審査されます。

審査に落ちると、リバースモーゲージを利用することができず、老後の生活資金を捻出することが困難になります。

また、審査料がかかる場合もあり、無駄な出費となる可能性もあります。

リバースモーゲージを利用する前に、必ず審査基準を確認し、自分が審査に通る可能性があるか判断しましょう。

リバースモーゲージのメリット

リバースモーゲージの主なメリットは、次の3つです。

リバースモーゲージのメリット
  • 自宅を手放さずに資金を得られる
  • 高齢者でも契約できる

リバースモーゲージのデメリットを知って、「複雑」「恐ろしい」という印象を持った人もいることでしょう。

しかし、リバースモーゲージのメリットを知り、うまく利用することで、老後の資金計画に対する安心感を得ることができるでしょう。

それでは、ひとつずつ確認していきます。

自宅を手放さずに資金を得られる

リバースモーゲージの大きなメリットは、返済時まで住宅を手放すことなく住み続けながら資金を得られることでしょう。

住んでいる間は所有権もそのままで、引っ越す必要もありませんので、手間やコストがかかりません。

リバースモーゲージを利用していることは、近所にバレることもないので、安心して住み慣れた自宅で老後を過ごせます。

契約者が死亡した場合、自宅を売却して一括返済が基本ですが、契約内容によっては配偶者が契約を引き継げる場合もあります。

ですが、そのような引き継ぎ契約ができるかどうか事前に確認しておかないと遺族に迷惑がかかるので注意しましょう。

高齢者でも契約できる

リバースモーゲージは、高齢者でも契約することが可能です。

主に60歳以上を対象にしていますが、中には50代から利用できる商品もあります。
リバースモーゲージには、年齢制限の上限が定められていることもありますので、よく確認してください。

定年を迎えると、収入が少なくなり、老後の生活に不安を感じることもあるでしょう。

そのような時にリバースモーゲージを利用することで、生活費や医療費だけでなく、旅行や趣味など、老後の充実した生活のために自由に使える資金を得られます。

契約した人が生きている間は返済の心配をする必要がないことも、メリットのひとつと言えるでしょう。

リバースモーゲージで罠にはまらないコツ

リバースモーゲージで罠にはまらないコツは以下の通りです。

  • 資金の使い道を明確にして利用する
  • デメリットもよく理解しておく
  • 口コミや評判を確認する

資金の使い道を明確にして利用する

リバースモーゲージを利用する際には、資金の使い道を明確にすることが重要です。

使途を事前に計画することで、将来的な財政の見通しが立てやすくなり、無駄遣いを防ぐことに繋がります。

例えば、住宅の改修や医療費の支払い、旅行など、具体的な目的を持つことや、予想外の出費に備えるための貯蓄も検討するのがおすすめです。

さらに、信頼できる専門家に相談し、最適な利用方法を見つけることも大切です。

明確な目的を持ってリバースモーゲージを活用することで、安心して資金を管理できます。

デメリットもよく理解しておく

リバースモーゲージを利用する際には、そのデメリットもしっかり理解しておくことが重要です。

リバースモーゲージのデメリットは以下の通りです。

  • 長生きするとリスクが高まる
  • 不動産の価値変動で借入額が変動する
  • 相続人とのトラブルになりやすい
  • 金利の上昇によるリスクがある
  • 相続人に債務だけ残る恐れがある
  • 保証人の同意が必要
  • 使用用途が決められている
  • 審査が厳しい

リバースモーゲージの利用にはリスクがあることを理解した上で、自分のライフプランや経済状況に合った選択をすることが大切です。

信頼できる専門家に相談し、デメリットを含めた総合的な情報を基に判断することで、安心してリバースモーゲージを利用しましょう。

口コミや評判を確認する

リバースモーゲージを検討する際には、口コミや評判を確認することも大切です。

実際の利用者の声を知ることで、メリットだけでなくデメリットについても具体的な情報が得られます。

例えば、契約条件や手続きの煩雑さ、予期せぬトラブルなど、公式情報にはない実態を把握できるでしょう。

さらに、信頼性の高い情報源からの評判を参考にすることで、誤った判断を避けることができます。

複数の口コミを比較し、共通点や相違点を見極めることで、自分に合ったリバースモーゲージの選択が可能になります。

信頼できる情報を基に、慎重に検討することが重要です。

リバースモーゲージに向いている人

リバースモーゲージに向いているのは、次のような人です。

リバースモーゲージに向いている人
  • 老後の資金に不安がある
  • 子どもがおらず自宅を残す必要がない

リバースモーゲージのメリットとデメリットを知った上で、リバースモーゲージを利用して老後に資金の心配をせず、ゆとりある生活をしたいと考える人は多いです。

上記の2点に当てはまる場合は、リバースモーゲージの利用を積極的に検討すると良いでしょう。

具体的にどのような人がリバースモーゲージに向いているのかについて、ひとつずつ詳しく説明します。

老後の資金に不安がある

老後の資金に不安がある人にとって、リバースモーゲージはおすすめの商品です。

60歳で定年を迎え、実際に年金を受給するまでにはタイムラグがあります。

この期間、リバースモーゲージを年金受給までの繋ぎとして利用することも可能です。

家を売ることなくお金が借りられるので、今までと同様に安定した生活を送れるでしょう。

高齢になるにつれて収入は少なくなりますが、医療費や介護費など、必要な費用は増えていく傾向にあります。

そのような場合でも、リバースモーゲージを利用することで、ある程度まとまったお金を用意できるのは安心です。

年金とリバースモーゲージで得たお金があれば、老後も少し余裕を持った生活ができるでしょう。

子どももおらず自宅を残す必要がない

子どもがいない、または子どもたちが経済的に自立しており自宅を相続する必要がない人は、リバースモーゲージに向いています。

リバースモーゲージを利用して土地や自宅を有効活用することで、老後の生活資金を自身で工面できます。

契約者の死後には、不動産の処理も金融機関が担うので、心配ありません。

誰にも迷惑をかけることなく経済的自立を保てることは、老後の安心につながるでしょう。

家を残す必要がない場合、リバースモーゲージを利用することで、自宅の維持管理に関する負担を軽減しながら、生活の質を落とさず生活できます。

リバースモーゲージ以外の資金調達方法

リバースモーゲージ以外の資金調達方法には、以下の2つがあります

  • リースバック
  • 住宅ローン

それぞれ仕組みや、特徴が大きく異なります。

またメリットとデメリットも違っているため、人によってはリバースモーゲージよりもリースバックや住宅ローンが適している場合もございます。

後悔しないためにもどの資金調達方法が適しているのか、是非参考にしてください。

リバースモーゲージとリースバックの違い

リバースモーゲージ以外で資金をつくるなら、リースバックがおすすめです。

リースバックもリバースモーゲージと同じく、所有している不動産を活用して資金を得る方法ですが、その仕組みに違いがあります。

リバースモーゲージリースバック
所有権自宅の所有権は保持自宅の所有権を売却
住居継続継続して住むリース契約により住む
資金調達方法自宅を担保に融資を受ける自宅を売却して資金を得る
借入額の制限住宅価値に基づくなし
相続返済が終わるまで相続不可売却後も相続は可能

リースバックはリース会社に自宅を売却し、同時にその不動産と賃貸契約を結び、家賃を支払うことで引き続き住むことができる仕組みです。

また、リバースモーゲージの契約には、保証人や相続人の同意が必要だったり、収入がない人は利用できなかったりといったさまざまな制限があります。

その点、リースバックは年齢や収入による厳しい制限などがなく、煩わしい手続きが少ないのも魅力です。

売却して得た資金については、資金用途に制限はなく、自由に使えるのも魅力です。

リースバックについて詳しく知りたい人は、こちらをご覧ください。

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リバースモーゲージと住宅ローンの違い

リバースモーゲージと住宅ローンは、どちらも不動産を利用した金融商品ですが、その目的や対象者、返済方法などに大きな違いがあります。

リバースモーゲージ住宅ローン
所有権自宅の所有権は保持自宅の所有権は保持
住居継続継続して住む継続して住む
資金調達方法自宅を担保に融資を受ける自宅を担保に融資を受ける
借入額の制限住宅価値に基づく収入や信用に基づく
返済方法死亡時や売却時に一括返済毎月の分割返済
対象年齢高齢者向け年齢制限なし
利息変動利息が多い固定利息や変動利息が選べる

住宅ローンは主に若い世代が新しく自宅を購入するために利用するローンで、毎月の定期的な返済が必要です。

この返済には、借入金の元本と利息の両方が含まれており、通常は数十年にわたって支払いを続けます。

一方のリバースモーゲージは、高齢者が保有している自宅を担保にして老後の資金を借り入れるローンで、生前の返済はなく、毎月の支払いは利息分のみです。

借入金の元本は、契約者が亡くなったり、不動産を売却したりした後に、その売却額で清算されます。

リバースモーゲージは、契約者が自宅に住み続けられ、同時に生活費などの資金を確保できることが特徴です。

定年退職後に住宅ローンの支払いが残っている場合、リバースモーゲージを利用して住宅ローンの返済にあて、日々の返済額を少なくするといった利用方法もあります。

まとめ

この記事では「悲惨」だといわれることがあるリバースモーゲージのデメリットを中心に、リバースモーゲージの特徴を解説しました。

リバースモーゲージの契約は金融機関によって違いがあるので、詳細まで確認することが重要です。

リバースモーゲージのデメリット
  1. 長生きするとリスクが高まる
  2. 不動産の価値変動で借入額が変動する
  3. 相続人とのトラブルになりやすい
  4. 金利の上昇によるリスクがある
  5. 相続人に債務だけ残る恐れがある

契約した後のリスクや将来的な影響を十分に理解し、配偶者や子どもたちとも話し合って、失敗のないようにしましょう。

また、老後の資金をつくるには、「リースバック」という方法もあります。
リースバックはリバースモーゲージよりも資金用途が自由という特徴があります。

さらに、リバースモーゲージが「借金」であることに対して、リースバックは「売却」です。

借金に対してあまりいい印象を持たない場合や、自宅を相続人に引き継がせたい場合は、リースバックを検討すると良いでしょう。

リースバックについて詳しく知りたい場合は、こちらを参考にしてください。

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