「固定資産税が払えなくなったらどうしよう」
「固定資産税が払えないとどうなる?」
このような不安や疑問が思い浮かんだことのある方も多いでしょう。
固定資産税は土地や建物を所有していると、毎年支払わなくてはならない税金です。
家計への負担も少なくないので、払えない状況になることもあるかもしれません。
そのような方にむけてこの記事では、固定資産税を払えないときのリスクを解説します。
また、固定資産税を払えないときの対処法5選もあわせて紹介するので、土地や建物を所有している方は、ぜひ参考にしてください。
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固定資産税を払えないときのリスク
固定資産税を払えず滞納した場合、延滞金が発生し最終的には財産が差押さえられ、公売にかけられてしまいます。
ここでは、固定資産税の納付期限が過ぎた場合に生じる延滞金や、リスクについて解説していきます。
- 督促状や催告状が届く
- 財産の差し押さえをされる
- 物件が公売にかけられる
固定資産税を支払えないとき、どのような段階を経て対処が進んでいくのか確認しておきましょう。
督促状や催告状が届く
固定資産税を納期限までに支払わなかった場合、納期限から20日以内に督促状が届きます。
督促状では、本来納めるべき税額のほか、納期限の翌日から発生した延滞金を含めた金額が請求されます。
延滞金は以下の割合です。
納期を過ぎて1か月までは2.4%、1ヶ月を過ぎると8.7%
日割りで計算されるため、支払いが遅れるほど延滞金の金額が大きくなります。
督促状が届いたら、なるべく早く納税するようにしましょう。
督促状の送付から10日経過しても納付がされないと、督促状の再送付、もしくは財産の差押さえを実行する旨の連絡が入ります。
自治体によっては催告状を送付するところもあります。
催告状は事実上、差押さえの警告です。
また、過去の税金を納める場合は、所有している不動産がある市町村の納税課に年率を問い合わせておくことが必要です。
延滞金の年率は年度によって異なる場合がありますので注意しましょう。
財産の差し押さえをされる
督促状が送られてきても何の対処もせず、放置し続けてしまうと財産の差押さえが実行されます。
- 督促状を発送した日から10日以内に納税しない場合は滞納者の財産を差し押さえること
督促状が届いたら早急に納税しなければなりません。
しかし、財産の差押さえはいきなり行われるわけではなく、前述したように事前に通知があります。
支払いに応じず、督促状にも対処せずにいると、財産調査が行われることになります。
差押さえの対象となる財産は「金銭的価値を有するもの」です。
まずは給与や預貯金から差し押さえられ、固定資産税の支払いへ充てられます。
それでも支払い切れなかった場合には、動産や不動産も差押さえの対象となります。
対象となるのは自動車や貴金属といったもののほか、「有価証券」「生命保険契約」「土地」「建物」など換価により税金の支払いに充てられるものすべてです。
ただし、最低限の生活を営むために必要な衣服や寝具、3ヵ月分の食料・燃料などは差し押さえの対象外となっています。
物件が公売にかけられる
固定資産税の滞納が長期化すると、物件が公売の対象となる恐れがあります。
公売とは国や地方自治体が差し押さえた財産を売却することです。
正式には「滞納処分」というもので、国や自治体が行う行政処分の一つです。
よく耳にする「競売」とは
- 強制的に売却されること
- 入札制度であること
という点で同じ仕組みであり、入札によって強制的に売却し、滞納された税を回収することを目的としています。
固定資産税を滞納すると物件が公売にかけられ、買い手がみつかると売却されてしまいます。
物件は第三者のものになるので、すみやかに退去しなければなりません。
固定資産税を払わなくていい方法はある?
固定資産税は土地を利用していなくても、所有しているだけで課税される税金です。
固定資産税を払わなくていい方法はありません。
通常の借金だと自己破産をすれば免除されますが、滞納した税金は自己破産しても免除がされません。
自治体の担当者と相談して分割してでも必ず納める必要があります。
また、税金にも納期限から5年という時効はありますが、実際に成立することはほぼありません。
督促状などが届くと、その時点で時効が中断するからです。
自治体が滞納を放置して督促しないということはないため、時効を待てば支払わなくてよくなるとは考えないようにしましょう。
ただし、固定資産税には免税点というものがあり、この基準を下回る評価額の場合、固定資産税はかかりません。
基準は以下のように定められています。
土地の課税評価額が30万円未満、建物の課税評価額が20万円未満
固定資産税評価額が低すぎると、固定資産税額がゼロとして算出されるため、納税義務が生じないのです。
固定資産税を払えないときの対処方法5選
固定資産税が払えないとわかったら、早めに対処することが大切です。
納期限を迎えてしまうと、延滞金も日々増えていきます。
この項では、固定資産税を払えないときの対処方法5選を紹介します。
- 自治体窓口へ相談する
- 分納する
- 固定資産税の減免を受ける
- 徴収猶予を相談する
- 資産の売却を検討する
資産の差押えになる前に、これらを参考に対処していきましょう。
それぞれ解説していきます。
①自治体窓口へ相談する
「固定資産税が払えない」と判断したらまず自治体の窓口へ相談しましょう。
固定資産税の納付書や督促状には、各自治体の電話番号など連絡先が記入されています。
その番号に電話する、もしくは役所の担当窓口へ行って相談にのってもらいましょう。
滞納が長期化する前に相談をすれば、柔軟に対応してもらえるケースもあります。
相談の際にどうしても納付できない事情があることなどを相談窓口の担当者に理解してもらえれば、このあと解説する分納や減免、徴収猶予などに応じてもらえます。
まずは自治体の窓口で事情を説明して相談してみましょう。
②分納する
まとまった金額で固定資産税を払えない場合、分納という措置を受けられる可能性があります。
固定資産税の支払い方法は、原則として一括払いか4回の分割払いのどちらかです。
4回の分割払いでも支払いが厳しい場合、さらに各月の分納(12回)という措置が受けられる場合があります。
自治体の窓口で相談する際には、分納であっても納税する意思があることをしっかり伝えることが大切です。
病気や失業などで経済的に苦しく支払えない理由がある場合は、それを証明できる診断書や失業認定書などを持参するとよいでしょう。
なお、分納が認められたあとに滞納してしまった場合、財産を差押さえられることもあるので注意が必要です。
③固定資産税の減免を受ける
市町村によっては、固定資産税や都市計画税の減免制度が設けられています。
減免とは、納めるべき税金を軽減または免除する制度です。
減免を受ける場合には、収入など一定の条件を満たしている必要があります。
減免が認められる理由はさまざまです。
生活保護を受けている人や、災害で被害を受けた人などは、税の減免が認められる可能性があります。
家屋の場合は、家屋の価値に対して被害が何割程度あるのか調査したうえで、減免の割合が算出されます。
災害などで固定資産税の減免を希望する場合は、状況がある程度落ち着いたら自治体に申請しましょう。
④徴収猶予を相談する
徴収猶予とは一定期間にわたり、固定資産税の支払いを先送りにできる制度です。
以下のような理由で税金の支払いが困難な場合、審査を受けたのち承認されると徴収猶予を受けられる場合があります。
- 災害・盗難を受けた場合
- 事業を廃止または休止した場合
- 事業で著しい損失が生じた場合
- 納税者またはその生計を一にする親族などが病気や負傷をした場合
猶予期間は原則として1年間です。
猶予期間中は、延滞金の全部または一部も免除されます。
その間は財産を差押さえられることはありません。
ただし猶予期間中に猶予の取り消し事由に該当した場合は、猶予が取り消しになることがあります。
⑤資産の売却を検討する
前述した分納や徴収猶予などを受けても固定資産税が支払えない場合、公売にかけられる前に資産の売却を検討しましょう。
差押さえを受けて公売にかけられるよりも、売却した方が高く売れるのが一般的です。
少しでも高く売却できれば、納付しなければならない固定資産税のほか残っている住宅ローンの返済にも対応できます。
資産の売却を検討するのならば、早めに不動産会社などに依頼したほうがよいでしょう。
公売は競売と違って債権者が国や自治体なので、裁判所への申し立てが不要です。
競売に比べて売却までの期間が比較的短く、滞納から最短3ヶ月程度で買受人に所有権が移転するケースもあります。
売却で買い手が見つかる前に、公売の開札日を迎えてしまうケースもああります。
固定資産税を払えなくなるケース3選
ここまで、固定資産税が払えない場合のリスクや対処法について解説しました。
この項ではどのような場合に固定資産税を滞納してしまうのか、払えなくなるケース3選を解説していきます。
- 老後の収入が減った
- 家族から不動産を相続した
- 固定資産税が上昇した
1つずつ確認していきましょう。
老後の収入が減った
固定資産税が支払えなくなるケースとして、老後に収入が減ることがあげられます。
定年退職により収入が減ってしまうと、固定資産税を滞納してしまうのです。
固定資産税は、収入が減っても支払い続ける義務があります。
老後のための貯金は生活費だけではなく、税金などに充てる資金も含めて対策しておく必要があるでしょう。
家族から不動産を相続した
相続は予期せず発生することがあります。
何も準備ができていない状態で不動産を相続すると、固定資産税が家計を圧迫する恐れがあります。
固定資産税は、毎年1月1日現在の所有者に対して課税される税金です。
自分が住んでいなくても、空き家でも所有していれば毎年固定資産税がかかります。
親族が亡くなって不動産を相続したものの、固定資産税への認識がなく、想定外の支払に対応できないケースがありますので注意しましょう。
固定資産税が上昇した
土地開発などにより、土地の固定資産税が上がってしまって払えなくなるケースがあります。
固定資産税は3年ごとの見直しで支払額が変わります。
建物の場合、築年数とともに価値が下がるので固定資産税も下がるものの土地に関しては、固定資産税が上がる恐れがあるのです。
たとえば、再開発などにより所有している不動産の周辺が人気エリアになることがあります。
この場合、地価が上昇し不動産評価額とともに固定資産税額が上がってしまうのです。
収入は変わらないのに税負担が増えることになり、払えなくなって滞納してしまうケースがでてきます。
固定資産税の支払いが難しいならリースバックを検討
固定資産税の支払いが難しい場合は、リースバックを活用することも検討してみましょう。
リースバックとは、自宅を売却した後も、家賃を払うことでそのまま同じ家に住み続けられるサービスです。
基本的には「売買契約」と「賃貸契約」をセットにした取引のことです。
一般的な仲介による売買では、買い手が見つかるまでに時間を要します。
しかし、リースバックは不動産会社が直接買い取るケースが多いため、比較的短期間で売却可能です。
税金や住宅ローンの返済にすぐに対応できるので、固定資産税の対策にも適しているといえます。
では、リースバックのメリットとデメリットを解説していきます。
リースバックのメリット
リースバックのメリットは、固定資産税や都市計画税の負担がなくなることです。
住み慣れた家で生活を続けられる一方で、不動産の所有者でなくなることから固定資産税等の支払いが不要となります。
また、まとまった資金を短期間で確保できることもメリットです。
売却資金の用途も自由なので滞納していた税金の支払いのほか、住宅ローンの返済や生活費にも使用できます。
売却した家は「買戻し特約」を設定しておくと、将来ゆとりができた時に買い戻すことも可能です。
リースバックは引っ越しの手間も費用も必要なく、子どもの学区も変わらないので子育て中の家庭にもおすすめといえるでしょう。
リースバックでお悩みの方は、まず相談してみましょう!
リースバックのデメリット
リースバックのデメリットは、毎月家賃を支払わなければならないことです。
リースバックにより設定される家賃は相場とは関係なく、売却価格を元に算出されています。
そのため家賃が周辺の相場より高くなる恐れがあります。
リースバックによる自宅売却の価格は、通常の不動産売却価格よりも安くなる傾向があるものの、相場よりも売却価格が低いです。
ですが、即金性の高いリースバックは売却価格よりもメリットが大きいケースもあります。
いまの状況を整理し検討していきましょう!
まとめ
この記事では、固定資産税を払えないときのリスクと、固定資産税が支払えない時の対処法5選などをご紹介しました。
- 督促状や催告状が届く
- 財産の差押さえをされる
- 物件が公売にかけられる
- 自治体窓口へ相談する
- 分納する
- 固定資産税の減免を受ける
- 徴収猶予を相談する
- 資産の売却を検討する
毎年支払う固定資産税は、家計に大きな負担がかかります。
払えないまま放置すると最悪の場合、資産を差押さえられたり公売にかけられたりするおそれもあります。
経済的に苦しいと感じたら早めに自治体窓口へ相談し、分納にしてもらうなどの対処をとってもらいましょう。
支払い延滞はリスクが大きいので、まず専門家に相談することをオススメします!