この記事では、今まで大切にしてきた家を売るにあたっての大事なポイントを説明しています。
売却の種類や主な流れ、家を売る適切なタイミングを知ることで、不動産会社に騙されたと思うことなく、損のない売却を行うことができます。
家を売る方法3つ
まず家を売る方法として、大きく以下の3つが挙げられます。
メリットとデメリットは以下の通り。
方法 | メリット | デメリット |
「仲介」してもらう方法 | 専門知識がなくてもOK | 仲介手数料が必要 |
「買取」してもらう方法 | 早く家を売れる | 売却価格が低い |
個人売買 | 仲介手数料が不要 | 専門知識が必要 |
家を売る方法によって、専門知識の有無、仲介手数料の有無、家を売るまでのスピードが異なります。
どの方法が向いているか、ベストな方法を比較・検討してみてください。
不動産会社に「仲介」してもらう
まず1つ目が、不動産会社に仲介してもらって家の買主を探す方法です。
不動産のプロがインターネットや店頭広告で買主を探してくれますので、売主は専門的な知識がなくても希望価格に近い価格で不動産売却ができます。
また仲介してもらう際は仲介手数料が必要で、他の方法と比較すると時間がかかる可能性があります。
不動産会社に「買取」してもらう
次に、不動産会社に直接家を買い取ってもらう方法です。
この方法では買主を探す時間がないので、スピーディーな売却が可能となります。
デメリットとしては、他の方法と比較すると売却価格が低くなってしまう可能性がある点になります。
このような性質から、転勤や遺産分割といった理由で、早く家を売りたい事情がある方が実施するケースが多いです。
不動産会社に依頼しない「個人売買」
不動産会社に依頼せずに自分で買主を探す方法を個人売買といいます。あまり一般的な方法とは言えませんが、仲介手数料が不要で、納得した状態で家を売れるというメリットがあります。
個人売買をするには専門的な知識が必要になりますので、初心者には難しく、あまりおすすめはできません。
家が高く売れるベストなタイミング
家には季節や築年数といった面から、売れやすいタイミングがあります。
このベストなタイミングを知っておくと、買主が見つかりやすく、希望の価格での売却が叶う可能性が高くなるといえるでしょう。
家が売れやすい季節を知る
不動産売買は「季節性」が大きく関係します。
一般的に、不動産の繁忙期とは1月〜3月にかけての時期で住み替え需要が高まるため、取引量が増加します。(転勤や進学など)
逆に、8月はお盆の時期が重なるほか真夏で引っ越しが大変であるため不動産の売買は成立しづらくなっています。
このように、月によって不動産が売れやすい時期と売れづらい時期が存在するので、ベストなタイミングを狙い、前倒しでスケジューリングするようにしましょう。
家が売れやすい月 | 1~3月、9月 |
家が売れづらい月 | 8月 |
家が売れやすい築年数とは
築年数は家の売れやすさに大きく影響する要素のひとつです。
特に、「築年数が20年以内である」「旧耐震基準である」というのが不動産売買では基準になります。
築年数が20年を超えると売れないというわけではありませんが、戸建ての場合だと建物の価値がゼロ近くになってしまう場合もあります。
「旧耐震基準」とは1981年(昭和56年)5月31日までの建築確認において適用されていた基準のことで、現在の新耐震基準と比べたときに地震への耐久性が低くなっているため、不動産の価値を低くする原因になっています。
基準 | 時期 | 基準 |
旧耐震基準 | 1981年(昭和56年)5月31日まで | 震度5強程度の揺れでも建物が倒壊しないような構造基準 |
新耐震基準 | 1981年(昭和56年)6月1日以降 | 震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準 |
古い家を売るポイント
築年数が経過した古い家を売るポイントとして、以下をチェックしましょう。
- そのまま売る
- リフォームして売る
- 更地にして売る
同じ家でも売却方法によって売れ方に違いが出てきます。
家によってどの売却方法が望ましいのかを考慮して、売りに出すのがおすすめです。
家を売る際の流れ
家を売りたいと思ったら、まずは何をすればいいでしょうか。
ここでは、どんな流れで売却が進むのかの手順を紹介します。
【家を売る際の流れ】 事前準備で相場を調べる ↓ 査定依頼をし媒介契約をする ↓ 不動産会社を選ぶポイント ↓ 販売活動案&売買契約 ↓ 確定申告をする |
家を売る際にかかるトータルの時間は、3ヶ月から半年程度が目安です。家を売る際の流れについて確認しておきましょう。
事前準備で相場を調べる
できるだけ高くスムーズに家を売りたいと考えているのであれば、まず相場を調べましょう。
相場を調べるには、国土交通省が情報提供している以下のサイトがおすすめです。
サービス名 | 運営者 | サービスURL |
土地総合情報システム | 国土交通省 | https://www.land.mlit.go.jp/webland/ |
REINS Market Information | 不動産流通機構 (国土交通大臣指定) | http://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do |
売主の希望価格やローンの残債についても明確にしておく必要があります。
不動産会社が提示する査定額が適正な価格かどうかを見極めるためにも、事前準備をして価格相場を知っておきましょう。
価格設計をミスすると、売れ残りのリスクがぐっと高まりますので、相場感に自信がない方は、複数の業者から相見積もりを取ることもおすすめします。
査定依頼をし媒介契約をする
不動産会社に査定を依頼する際には、3社以上を比較して不動産会社を選ぶようにしましょう。
媒介契約とは、宅地建物取引業者(不動産仲介会社)が不動産の売買当事者の間に立って売買契約の成立を斡旋する契約です。
信頼できる不動産会社が見つかったら媒介契約をし、不動産会社による販促活動がスタートします。
査定額を参考に売主自身が、実際の売却価格を決めます。
不動産会社を選ぶポイント
不動産会社は家を売る際の大切なパートナーになりますので、信頼できる不動産会社を選ばなくてはいけません。
- 売却する物件と似たような物件の売却実績があるか
- 担当のスタッフは信頼できるのか
- 専門知識は豊富か
といった点を見極めてください。
選ぶ不動産会社によって、家が売れるかどうかにも関わってくるといっても過言ではありません。
販売活動案&売買契約
不動産会社は主な集客方法として、インターネット広告や店頭広告を活用するケースが多いです。これらが自身の物件に合うかどうかが見極めのポイントとなります。
地域での販売戦略や接客力など、不動産会社ごとに強みが異なりますので、自身が買主だとしたらこの不動産会社の販売方法で、購入に至るかという基準で選ぶと良いでしょう。
確定申告をする
家を売って譲渡所得がある場合は、年末調整での手続きは不要ですが、確定申告が必要です。
不動産を売却したときの税金は「分離課税」といって、給与所得とは別に課税されます。
申告を忘れると追徴などのペナルティが発生してしまいます。
確定申告は毎年2月15日から3月16日ですので、忘れずに確定申告をしましょう。
家を売る際に必要なお金
家を売ると、不動産会社への仲介手数料や登記に費用がかかります。
家を売ったお金がそのまま手元に残るわけではなく、これらの費用も念頭に入れておく必要があるでしょう。また、他にも引越し代や住宅ローンの残債といった諸費用がかかります。
不動産会社に支払う仲介手数料
不動産会社に仲介を依頼して、不動産の売買が成立すると仲介手数料がかかります。
仲介手数料は宅地建物取引業法により定められた上限額がありますが、上限額までであれば不動産会社が自由に設定可能です。
登記費用と司法書士への報酬
登記費用とは、土地や建物について法務局の不動産登記簿に登記を行う費用です。
個人でも手続きは可能ですが、司法書士に依頼するのが一般的です。
司法書士に依頼する場合は司法書士への報酬が必要になります。
売却によりその他に課される税金
家を売ると、売買契約書をはじめとした課税文書に対してかかる税金である印紙税、利益に応じて所得税、住民税、復興特別所得税がかかります。
譲渡所得(不動産を売却したことで発生した利益)にかかる税金は、売却した家の所有期間によります。
家を売る際の必要書類
家を売る際には、タイミングによって書類が必要です。
ここでは、「査定をする際」「家を売る際」に必要となる書類を紹介します。
資料が多くある方が、より細かな査定が可能となります。
スムーズな売却をするために、これらの書類を準備しておいてください。
査定をする際の必要書類
家を査定する際に必要な書類は以下の通りです。
必ず用意しなければいけない書類は「登記権利証または登記識別情報」「確定測量図、境界確認書」です。
これらに加えて、不動産の売買情報が分かる情報を準備する必要もあります。
また、マンションの場合は「管理規約や維持費、管理費、修繕積立金」に関する書類を準備しましょう。
書類 | 内容 |
【必ず必要な書類】 | ・登記権利証または登記識別情報 ・確定測量図、境界確認書 |
【あるといい書類】 | ・登記簿謄本 ・地積測量図 ・建物図面 ・公図 ・購入時の売買契約書 ・重要事項説明書 ・建築設計図書 ・住宅性能評価書や耐震診断報告書 ・固定資産税通知書または固定資産評価証明書 ・リフォームの実績が分かる書類 ・管理費・修繕積立金の記載書類 |
家を売る際の必要書類
家を売る際に必要となる書類は以下の通りです。
マンションの場合と戸建ての場合で用意する書類が異なるため、不備なく準備しましょう。
書類 | 内容 |
【マンションの場合】 | ・マンションの管理規約 ・総会議事録 ・長期修繕計画 ・管理に係る重要事項調査報告書 |
【戸建ての場合】 | ・建築確認済証 ・検査済証 |
家を売る際の注意点
家を売りたいと思った時にはローンの状態や家の状態を考慮しなければなりません。
家を売る際に注意したいポイントとして、以下を紹介します。
- 住宅ローンが完済できるか確認しておく
- ローンが残った家を売る時の注意点
- 家をベストな状態にしておく
家の状態は売却価格にも関わりますので、慎重に検討していきましょう。
住宅ローンが完済できるか確認しておく
住宅ローンが残っている家を売却するには、物件の引き渡し直前までに住宅ローンを完済しなければいけません。
住宅ローンが残っている状態だと「抵当権」と呼ばれる金融機関の権利が付いたままなので、抵当権を抹消することが売却の条件となります。
売却価格とローンの残高を比較するために、まずは査定額を確認するといいでしょう。
ローンが残った家を売るには
オーバーローンの状態で家を売却する方法には、住み替えローンを使うか、任意売却をするという選択肢があります。
住み替えローンは、返済できなかったローン残債務と次に買う家の代金を合算して借りることができるローンのことで、任意売却とは、借入先の金融機関に相談して抵当権を外してもらえるという売却方法です。
家をベストな状態にしておく
ハウスクリーニングをしたりリフォームをすると印象が良くなるため、成約率が上がります。
逆に物件の欠陥や不具合である瑕疵を隠して売却すると、損害賠償問題になる場合もあるので、注意が必要です。
売買に不利になる情報であっても、隠さずに公表する必要があります。
自分に合う不動産会社を選ぼう
家を売る際のパートナーとなる不動産会社には、それぞれ特徴があります。
売主でも情報収集をして、納得のいく不動産売買ができるよう、売る家に合わせた不動産会社を選べるようにしましょう。