「不動産担保ローンで審査に通らない原因は?」
「不動産担保ローンの審査が通るコツは?」
上記のように悩んでる方は多いと思います。
本記事では「不動産担保ローンの審査に通りにくい人」や「不動産担保ローンの審査に通らない場合の対策」について紹介していきます。
何度か不動産担保ローンに申し込みしたけど審査が通らない人は、ぜひ参考にしてください。
不動産担保ローンの審査基準について
不動産担保ローンの審査基準について把握しておきましょう。
不動産担保ローンの主な審査基準は以下です。
- 不動産の担保価値
- 返済能力
上記の審査基準について詳しく解説していきます。
不動産の担保価値
担保にする不動産の価値が高いと審査は通りやすくなり、融資可能額にも影響します。
金融機関によって不動産の評価の仕方は様々ですが、一般的には以下の計算式に基づき評価額を算出します。
不動産の建物の価値の評価方法は以下です。
建物の評価額=再調達費用×延床面積×残存年数÷法定耐用年数
※残存年数は、法定耐用年数から築年数を引いた年数
※法定耐用年数は、木造は22年、鉄筋コンクリートは47年
例)【シミュレーション条件】
- 再調達費用15万円
- 延床面積70㎡
- 法定耐用年数22年
- 残存年数12年(築年数10年)
再調達費用15万円×延床面積70㎡×残存年数12年÷法定耐用年数22年=約572万円
不動産の土地の価値の評価方法は以下です。
土地の評価額=路線価×土地の面積
例)【シミュレーション条件】
- 路線価20万円
- 土地の面積90㎡
路線価20万円×土地の面積90㎡=1,800万円
建物の場合は、残存年数により価格が下がるが、土地は立地が重要視された路線価によって割り出すため大幅に価値が下がる可能性は低いです。
上記の計算式に基づき、不動産の評価額を算出し、審査されます。
返済能力
不動産担保ローンは、不動産の価値と個人の信用力の2つを重視され審査されます。
個人の返済能力も審査基準では大切です。
主に以下の内容が確認されます。
- 収入状況
- 勤続年数
- 過去の金融トラブルの有無
- 他社での借入れの確認
上記を調査し、返済能力があり信用できるか調べられます。
収入状況
安定した収入があり、借入額に対する返済比率を確認し、問題なく返済できるかを確認されます。
勤続年数
勤続年数が長く働いてるほうが、転職することは少ないと判断され審査に通りやすくなります。また、勤続年数が浅い場合でも不動産価値が高かったり、収入が高い場合は審査に通る場合もあります。
過去の金融トラブルの有無
過去の金銭トラブルがある場合は、不動産担保ローンの審査に通りにくくなります。トラブルから期間が経っていたら、信用が回復しており審査に通ることもあります。
他社での借入れの確認
他社からの借入れがあり借入額が多い場合は、審査に影響することがあります。借入額が少なく返済が可能と判断されれば審査に通ります。
上記を基準に返済能力があるか判断され審査が行なわれます。
不動産担保ローンに通らない人の特徴
不動産担保ローンの審査になかなか通らない人には、共通して以下のような特徴があります。
- 信用力に欠ける
- 書類不備や申し込み内容に不備がある
- 複数の借入れがある
上記のような特徴がある方は審査が通りにくくなります。
それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
信用力に欠ける
信用力に不安があると判断された場合、不動産担保ローンの審査が通る可能性は低くなります。
信用力が低いとみなされるのは、過去に住宅ローンを数ヶ月間滞納したり、自己破産・債務整理をした経験があるなどが該当します。
金融機関は、申込者が過去に金融事故の有無を調べられるため、金融事故情報が残っている間はローンの審査が通りにくいといえます。
また、金融事故歴がない場合でも安定した収入がない場合も、審査に通るのは難しいです。
安定してない収入とは、アルバイトであったり、生活保護で生活してたりする場合になります。
上記のように金融事故で起こしたことがあったり、安定した収入がない場合は審査に通過するのは難しくなります。
書類不備や申し込み内容に不備がある
不動産担保ローンを申し込む際に、提出する書類に不備があったり、申込書の記載内容が異なっていたりする場合に、融資を断られてしまう可能性もあります。
例えば、担保にする不動産の情報に不備があるケースや、収入や勤続年数の記載が間違えてるなどです。
また、見え方をよくするために、嘘の内容を記載することも審査に落ちる原因になるので注意しましょう。
金融機関から提出を要求された書類が1枚でも不足していると、再提出を求められることになり、審査の結果が出るまでに時間がかかることもあります。
提出する書類に間違った記載がないか、不足している書類がないかを確認するようにしてください。
複数の借入れがある
他社から借入れがある場合は、審査に通らない可能性もあります。
複数の借入れがあると、借入残高の総額がさらに大きくなり、借入残高の総額が増えれば、将来的に債務者がローンを返済できなくなるリスクも増えると判断されるのです。
他社からの借入額が少ない場合は、返済負担率をクリアできれば審査にとる可能性もあります。
なので、不動産担保ローンを申し込む前に、他社の借り入れを完済すれば、審査に通る可能性が高くなります。
また完済するのが難しい場合は、可能な限り返済して借入総額が少なくなるようにしましょう。
不動産担保ローンの審査時に必要な書類
不動産担保ローン申込時の必要書類としては、以下になります。
- 本人確認書類
- 担保にする不動産関連の書類
- 収入・納税状況がわかる書類
各書類について解説していきます。
本人確認書類
本人確認では申込者が本人であるかを確認するための書類になります。
基本的に以下のものが必要となります。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
- 住民基本台帳カード
- 健康保険証(国民保険証)
運転免許証などの顔付の本人確認書がない場合は、健康保険証、住民票、印鑑証明など2点が必要になります。
住民票の住所と免許証など記載の住所が違うと審査が中断されることもあるので、提出前に確認してください。
引っ越ししたばかりで住所変更してないこともよくあるので注意するようにしてください。
また、法人で申込む場合は、代表者の本人確認書類と、登記簿謄本(発行日よりも3ヶ月以内のもの)を提出する必要があります。
登記簿謄本は、管轄の法務局で発行可能なので、申し込む前に用意しておくとスムーズに手続きすることができます。
不動産担保ローンの申し込み時には本人確認書類が必要になるので用意するようにしましょう。
担保にする不動産関連の書類
担保となる不動産関連の書類の提出も必要になります。
金融機関によっても異なりますが、以下の書類を提出します。
場合によっては複数の提出を求められるケースがあります。
- 土地・建物の登記事項証明書
- 公図
- 名寄台帳や固定資産評価証明書
不動産関連の書類は、申込者が個人事業主・法人にかかわらず同じ書類が必要になります。
「土地・建物の登記事項証明書」と「公図」は法務局で発行可能です。
また、「名寄台帳や固定資産評価証明書」は、対象の不動産の所在地が東京23区の場合は都税事務所で、それ以外の地域は市役所で取得することができます。
担保にする不動産関連の書類も必要になるので事前に準備しておくようにしましょう。
収入・納税状況がわかる書類
個人事業主や法人の場合は収入や納税状況を示す以下の書類も必要になります。
【個人事業主の場合】 | 【法人の場合】 |
・確定申告書または源泉徴収票・所得税・住民税・固定資産税の納税証明書 | ・決算書・法人税・法人事業税の納税証明書” ・商業登記簿謄本(登記事項証明書) |
個人事業主の場合は、収入を確認できる書類(確定申告書2〜3期分や源泉徴収票)、各種納税証明書(所得税・住民税・固定資産税など)の提出を求められます。
法人の場合は、書類の正当性を証明する商業登記簿謄本(登記事項証明書)または履歴事項全部証明書の提出が必要です。
また、会社の収支や納税状況を確認するために、決算書(2〜3期分)や法人事業税・法人税など納税証明書、借入計画書も求められます。
上記の必要書類に関して、金融機関等により異なる可能性があるので、詳細については申し込みをご検討中の各金融機関等に確認するようにしてください。
不動産担保ローンの審査に通らない場合の対策
不動産担保ローンの審査に通らない場合の対策は以下です。
- 融資希望額を減額する
- 申し込む金融機関の変更
- 担保にする不動産の変更
上記の対策をすることで審査に通る可能性があるので把握しておきましょう。
それぞれの対策について説明していきます。
融資希望額を減額する
審査に落ちた場合は、融資希望額を減額することで審査に通る可能性もあります。
融資希望額が高すぎると、申込者のご返済能力や不動産の担保価値に見合わないとして審査落ちやすくなります。
また、金融機関から、「希望した融資金額の借り入れは難しいが、減額した〇〇〇万円なら融資可能です」と提案をもらえるケースもあります。
その場合は、提案された融資金額で問題なければ承諾するとスムーズに融資を受けることができます。
申し込む際に融資希望額が多すぎると、審査に落ちる可能性もあるので、融資希望額を減らして審査に通りやすくするのも一つの対策になります。
申し込む金融機関の変更
審査に通らなかった場合は、他の金融機関で申し込むことで審査に通ることもあります。
審査の基準は、各金融機関ごとに異なるため、申込先を変えると審査に通る可能性があります。
メガバンク、都市銀行、信託銀行、地方銀行、ノンバンクなど、金融機関によって審査基準が異なります。
一度審査に落ちてしまったら、違う金融機関で申し込むようにしましょう。
担保にする不動産の変更
担保価値が低い物件から、担保価値が高い物件に変えて再度申請すれば審査に通る場合があります。
担保する不動産の価値の低さや、対応エリア外などで審査に落ちるケースもあります。
また、自分では、資産価値の高い不動産と思っていても、審査では災害リスクなどを懸念され、思っていた価値より低く評価されることがあります。
住宅だけではなく、 投資物件や家族所有の物件を担保できる金融機関もあるので、地方に物件がある方は 全国対応の金融機関に相談するのも一つの方法 です。
担保にする不動産を変更することにより、審査に通ることがあるので試してみてください。
審査が甘い不動産担保ローンの注意点
不動産担保ローンの中には審査が甘いといわれる商品がありますが、誰でも通るわけではないので注意が必要です。
どのような不動産担保ローンでも基本的に審査は確実に行われ、基準に満たない場合は審査に落ちてしまいます。
また、ノンバンクは銀行に比べて審査が早いことや通りやすい傾向にありますが、借り入れの金利や事務手数料が高く、さらに借り入れ期間が短い傾向があるので注意するようにしてください。
金利が高く、借り入れ期間が短いと月々の返済額も多くなるので、返済で生活が圧迫されることにもなりかねません。
審査が甘い不動産担保ローンには、金利が高い、返済期間が短いという特徴もあるので把握したうえで計画的に利用するようにしてください。
不動産担保ローンの審査に通るためのコツ
不動産担保ローンの審査に通るためのコツは以下になります。
- 担当者には嘘をつかずに、正確な情報を伝える
- ノンバンクの会社に申し込む
「必要書類を不備なく揃える」「担当者に嘘をつかない」という2点が審査結果に大きく影響を与えます。事前準備も含めてそれぞれ詳しく解説します。
担当者には嘘をつかずに、正確な情報を伝える
最近ではネット申し込みの金融機関が多くなりますが、申し込みに来店が必要なケースもあります。
ローンの担当者との面談を行う際には、嘘をつかずに正確な情報を伝えることも大切です。
金融機関の担当者は日々多くのローン利用希望者と面談しており、担保とする不動産や属性について徹底的に調査を行うため、嘘をつくのは逆効果です。
融資実行後に嘘が発覚した場合は、一括返済を求められる可能性もあるので注意してください。
不利になることも正直に伝えるなど真摯に対応することで、金融機関から信頼を得ることができ、結果として審査に通りやすくなります。
ノンバンクの会社に申し込む
大手メガバンクや銀行よりも、ノンバンクのほうが審査に通りやすいです。
ノンバンクは独自の審査基準を設けていて、柔軟に対応してくれるので審査に通る可能性が高くなります。
実際に銀行の「不動産担保ローン」の審査に落ちたが、ノンバンクで再度申し込みしたら審査が通ったということはよくあります。
ノンバンクは、差別化をはかるため、銀行で不動産担保ローンの審査に落ちた人などをターゲットしてることもあり、独自の審査基準を満たせば融資できるようにしてます。
そのような、ターゲットの違いも審査に通りやすくなる一つの理由です。
まとめ
不動産担保ローンに通らない人は、担保する不動産、信用力、返済能力に問題があることが多いです。
本記事では、「不動産担保ローンに通らない人の特徴」や「不動産担保ローンの審査に通らない場合の対策」などを紹介しました。
審査に落ちた場合は、担保した不動産の変更や、ノンバンクを利用することで審査に通る可能性が高くなります。
これから「不動産担保ローン」を利用する方は、参考にしていただき、審査通過を目指しましょう。