「老後の一人暮らしにかかる生活費は?」
「老後の一人暮らしのリスクは?」
上記のように、老後の一人暮らしについて疑問や不安を抱えている方はいるのではないでしょうか。
老後の一人暮らしには思った以上の生活費がかかり、老後資金を確保することが大切になります。
今回は「老後の一人暮らしのリスクと対策」や「老後資金を確保する方法」などについて紹介していきます。
老後の生活費や老後資金を確保する方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
老後の一人暮らしの現状は?
老後の一人暮らしは、死別や離婚、一生独身など、さまざまな背景を持つ人がいます。
近年、結婚に対する価値観が多様化していることもあり、今後、老後の一人暮らしはさらに増加していくことが予想されます。
国内の高齢者人口の割合
世界保健機関(WHO)や厚生労働省では、65歳以上の人のことを高齢者としています。
2023年10月1日時点の65歳以上の総人口に占める割合(高齢化率)は29.1%です。これは、4人に1人が高齢者であることを意味します。
2042年には65歳以上の人口は3935万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されています。
しかし、日本の総人口が減少する中でも65歳以上の割合は増えるため、高齢化率は今後も高くなっていくと考えられています。
2065年には36.2%に達すると推計されており、これは3人に1人が高齢者になるということです。
高齢化社会の進展は、医療・介護や社会保障制度など、さまざまな社会課題をもたらします。
これらの課題に対応するためには、政府だけでなく、企業や個人も含めた社会全体で取り組んでいくことが必要です。
一人暮らしの高齢者の割合
2023年時点で、65歳以上の一人暮らしをしている人は約700万人(男性約250万人、女性約450万人)と推計されています。
65歳以上の人口に占める割合は38.5%(男性16.5%、女性23.0%)と、2020年から1.4%上昇しています。
一人暮らし増加の要因は、晩婚化・未婚化、平均寿命の延び、離婚率の上昇、女性の社会進出などが挙げられます。
また、新型コロナウイルス感染症の影響により、外出や人とのかかわりを控える人が増え、孤独感を抱える高齢者が増加しており、物価上昇により、生活費が負担になっている高齢者が多いです。
老後の一人暮らしは、2024年においても増加傾向にあります。
老後の一人暮らしには、様々なリスクがつきものなので、次にそのリスクについて詳しく解説していきます。
老後の一人暮らしのリスクと対策
老後の一人暮らしのリスクは以下の通りです。
- 老後資金が不足する
- 入院や介護が必要になる
- 社会から孤立し孤独を感じる
それぞれのリスクについて解説していきます。
老後資金が不足する
老後の一人暮らしで多くの人が直面する問題の一つが、資金不足です。
退職後の家計管理を疎かにすると、収入と支出のバランスが崩れ、赤字家計に陥る可能性があります。
老後に受け取れる主な収入は、退職金と年金です。しかし、年金受給額は勤続年数や生涯平均年収、国民年金か厚生年金かで大きく異なります。
また、退職金は勤続年数や企業の業績によって大きく左右されます。
一方、老後の収入から差し引かれるお金は、主に税金と社会保険料です。
年金から税金と社会保険料が差し引かれるため、実際に手元に入る金額は、年金受給額よりも少なくなります。
下記は、会社員と自営業者の老後における収支の例です。
会社員の場合
年金受給見込額:約183万円/年(ひと月あたり約15万2,500円)
年金から差し引かれる税金・社会保険料:約18万円/年(ひと月あたり約1万5,000円)
自営業者の場合
年金受給見込額:約80万円/年(ひと月あたり約6万7,000円)
年金から差し引かれる税金・社会保険料:約14万円/年(ひと月あたり約1万2,000円)
老後の資金不足リスクを避けるためには、以下の対策が必要です。
老後資金は、退職までに計画的に準備しておくことが重要です。目標金額を設定し、毎月の積立額を決めましょう。
退職後の生活を想定し、家計簿をつけながら家計管理を徹底しましょう。無駄な支出を見直し、節約できる項目を探しましょう。
再就職をしてパートやアルバイトなどで収入を増やすことも有効です。
老後の一人暮らしで資金不足リスクを避けるためには、事前にしっかりと準備しておくことが重要です。収入と支出を把握し、計画的に家計管理をしましょう。
入院や介護が必要になる
老後の一人暮らしでは、健康面のリスクも考慮する必要があります。年齢を重ねるにつれて体力が衰え、介護や入院が必要になる可能性が高まります。
介護や入院が必要になった場合、以下のような課題が考えられます。
- 資金面の不安:介護や入院には高額な費用がかかります。
- 身元保証人の不在:身元保証人がいないと、入院や施設への入所が認められない場合があります。
老後2,000万円問題では、医療費や介護費などの健康面の支出が十分に考慮されていないという指摘があります。
生命保険文化センターの調査によると、2021年度の毎月の介護費用の平均は、公的な介護サービスの自己負担額込みで約8万3,000円でした。年に換算すると、約100万円となります。
また、医療費は、年齢とともに増加傾向にあります。75歳以上の医療費は、40歳代の約3倍です。
なので、老後の資金準備では、医療費や介護費もしっかりと考慮する必要があります。
- 必要な費用を把握する:将来必要な介護費用や医療費を予測し、必要な資金を算出します。
- 貯蓄や資産形成を行う:必要な資金を貯蓄したり、資産形成を行うことで、将来の医療費や介護費に備えます。
- 介護保険制度を活用する:介護保険制度を活用することで、介護費用を軽減できます。
- 身元保証人の確保:身元保証人がいない場合は、早めに身元保証人を確保しておきます。
このように、老後の一人暮らしでは、健康面のリスクへの対策が重要です
社会から孤立し孤独を感じる
一人暮らしの高齢者が直面する大きな問題の一つに、孤独死があります。身体が健康であっても、社会的孤立による孤独感は精神に深刻な影響を与えます。
孤独感は個人の主観に基づく感情であり、孤立は他者との交流が乏しい客観的な状況を指します。
孤立が必ずしも孤独感に繋がるとは限りませんが、孤独感の主な原因の一つであることは間違いありません。
国立社会保障・人口問題研究所の2023年の調査によると、「日常のちょっとした手助けで頼れる人がいない」と回答する単身男性世帯の割合は、単身女性世帯よりも高いことが示されました。
孤独死のリスクを高める要因は、以下のようなものが挙げられます。
- 社会的孤立:家族や友人との交流が少ない
- 地域とのつながりの希薄:地域活動に参加していない
- 経済的な困窮:生活費が足りず、必要なサービスを受けられない
- 身体的な機能低下:外出や買い物が困難
- 精神的な問題:うつ病や認知症など
孤独死を防ぐためには、社会全体で取り組む必要があります。
このように、老後の一人暮らしのリスクの一つとして「孤独を感じる」ことも挙げられます。
高齢者が孤立しないように、地域住民が声をかけ、交流を深める必要があります。
また、高齢者自身も一人で抱え込まず、周囲に助けを求める姿勢も重要になります。
老後の一人暮らしに必要な生活費は?
老後の一人暮らしには思った以上の生活費がかかるのが現実です。
そんな老後の一人暮らしの収入や支出について解説していきます。
収入平均
2023年の家計調査によると、高齢単身無職世帯の実収入(月平均額)は137,128円で、内訳は以下のとおりです。
社会保障給付 | 124,107円 |
その他(仕送り金、事業・内職など) | 13,021円 |
年金などの社会保障給付は約12万4千円で、実収入全体の約90.5%を占めています。これは、高齢者にとって重要な収入源であることを示しています。
また、仕送り金や事業・内職などによる収入は約1万3千円で、全体の約9.5%です。月平均額であるため、人によって金額に大きな差があると考えられます。
高齢者の一人暮らしの生活状況は、年金受給額や住んでいる地域などによって大きく異なります。
支出平均
2023年の家計調査によると、高齢単身無職世帯の消費支出と非消費支出の合計(月平均額)は157,759円で、内訳は以下のとおりです。
項目 | 金額(円) |
食料 | 38,221 |
住居 | 12,877 |
光熱・水道 | 15,050 |
家具・家事用品 | 6,131 |
被服及び履物 | 3,217 |
保険医療 | 8,315 |
交通・通信 | 15,022 |
教養娯楽 | 14,813 |
その他の消費支出(雑費・交際費など) | 31,746 |
非消費支出 | 12,366 |
直接税 | 4,709 |
社会保険料 | 7,657 |
消費支出 | 157,759 |
持ち家率は高く、住居費は12,877円と比較的低く抑えられています。しかし、賃貸の場合は家賃が発生するため、住居費はさらに高くなります。
また、年齢とともに医療費は増加傾向にあります。8,315円という平均値はあくまでも参考値であり、年齢や健康状態によって大きく異なります。
交通費は住環境に大きく左右されます。都市部では公共交通機関が発達しており、交通費を抑えられる可能性があります。
一方、地方では自家用車が必要になる場合が多く、車両代やガソリン代、保険料などの維持費もかかります。
このように、老後の生活費の約16万円が必要になるので、年金だけの収入では足りないのが現実です。
なので、老後の生活を見越して老後資金の確保が大切になります。
老後資金を確保する方法
老後資金を確保する方法は以下の通りです。
- 老後に向けて計画的な貯蓄をする
- 長く働き収入を増やす
- 持ち家を活用する
それぞれの方法について解説していきます。
老後に向けて計画的な貯蓄をする
年金だけでは老後の一人暮らしが不安なのは当然です。毎月少しずつでも積み立て貯金をしておくことで、将来の不安を和らげることができます。
なるべく早いうちから始めることが重要です。 若い頃から少しずつ積み立てることで、複利効果により老後までに大きな金額を貯めることができます。
まずは、老後までにどれくらい貯蓄したいかを具体的に目標設定しましょう。
目標金額は、生活費や住居費、医療費など、老後の生活に必要な費用を考慮して決めます。
目標金額を達成するために、毎月一定額を積み立てましょう。無理のない範囲で、できるだけ多くの金額を積み立てることが理想です。
積み立て方法は、銀行預金、投資信託、iDeCoなど、さまざまな選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。
このように、早い段階で老後資金を貯蓄することで、老後も余裕をもって生活することができます。
長く働き収入を増やす
近年、多くの企業で希望すれば65歳まで働ける制度が導入されています。
さらに、元気であれば70歳まで働ける企業も増えています。これは、2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法の影響です。
この改正により、事業主は65歳までの雇用確保に加え、70歳までの就業確保を努力義務として取り組む必要があるようになりました。
少子高齢化が進む日本では、労働人口の減少を補うため、高齢者でも働きやすい環境が整いつつあります。仕事を続けることには、経済的なメリット以外にも様々な利点があります。
経済的な安定:年金受給額が上がる
収入を増やすことで、老後の生活をより豊かにできる
健康面の維持:体を動かすことで、筋力や体力の維持・向上につながる
規則正しい生活を送ることで、健康リスクを減らせる
社会とのつながり:人とのコミュニケーションが増え、孤独感を減らせる
社会貢献を実感できる
70歳まで働くためには、体力や健康維持が重要です。日頃から健康的な生活習慣を心がけ、適度な運動を行いましょう。また、仕事に必要なスキルをアップデートし続けることも大切です。
このように、65歳、70歳まで働くことは、収入が増えるので経済的にも安定します。
また、健康面や社会とのつながり、生きがいなど、様々なメリットがあります。
持ち家を活用する
持ち家は、住む場所であると同時に、老後の資金源としても活用できます。近年注目されているのが、リースバックと不動産担保ローンです。
リースバックとは、自宅を売却して賃貸として住み続けるサービスです。まとまった資金を得られるだけでなく、住み慣れた家に住み続けられるのがメリットです。
ただし、所有権がなくなることや家賃を払い続けなければならない点に注意が必要です。
不動産担保ローンは、不動産を担保にお金を借りるローンです。借りたお金は、老後資金だけでなく、住宅リフォームや教育費など、さまざまな用途に使用できます。
持ち家を売却せずに資金を得られるのがメリットですが、金利を支払う必要があることや、返済が滞ると不動産を手放す可能性がある点に注意が必要です。
長く住み慣れた持ち家も、年齢とともに住みづらさを感じる場合もあります。また、固定資産税や火災保険料などの維持費用も発生します。
そこで、持ち家の売却・賃貸も検討しましょう。持ち家の売却・賃貸には、維持費の負担を軽減できることや、老後資金を準備できることなどのメリットがあります。
一方、住み慣れた家を手放すことや、新しい住居に慣れる必要があることなどのデメリットもあります。
持ち家を活かした老後資金の準備には、リースバック、不動産担保ローン、持ち家の売却・賃貸など、さまざまな方法があります。それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
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まとめ
今回は、「老後の一人暮らしのリスクと対策」や「老後資金を確保する方法」などについて紹介してきました。
老後の一人暮らしのリスクは以下になります。
- 老後資金が不足する
- 入院や介護が必要になる
- 社会から孤立し孤独を感じる
上記のように、老後の一人暮らしの最大のリスクは、老後資金が不足することです。
老後の一人暮らしの支出平均は約16万円になり、思った以上に生活費がかかります。
年金収入だけでは賄いきれないので、再就職や持ち家を活用して老後資金を確保するしかありません。
持ち家がある場合におすすめなのが、リースバックです。
リースバックとは、自宅を売却して賃貸として住み続けるサービスです。まとまった資金を得られるだけでなく、住み慣れた家に住み続けることができます。
短期間でまとまった資金を調達できるので、老後の生活資金として使用することができます。
しかし、リースバック業者によって売却価格や家賃の条件が様々なので比較検討することが大切になります。
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